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TOVE/トーベのQvQのレビュー・感想・評価

TOVE/トーベ(2020年製作の映画)
3.6
ムーミン好きの人はこれ観てどう思うのかな。
今のムーミンはだいぶ独り歩きしてる感じがするし、イメージが先行してるキャラクターな感じもするので、そういう目で観たら失望する人もいるかもしれない。何せその原作者が、この映画ではたばこプカプカで奔放な暮らしぶりだったりするので。

でも一人の女性の話として観ればそれなりに面白かった。芸術家の父親の目を気にしつつ、期待通りの道を進んで来れなかったことに敗北感を持って生きてきて、あんまり嬉しくないような漫画の方で認められていく。自由を求めていながら、あまり中身は奔放になりきれなかったようにも見えたし、結局なんだかんだいいながら純粋で臆病な人だったようにも思いました。その辺がムーミンの世界観と繋がってるんじゃないかな。

私はこの映画でトーベヤンソンの人となりを知れて良かった気がします。ムーミンはアニメくらいでしか知らないムーミン好きなので、ちゃんとムーミンの話を読んだり作品を知ったりしたいなと思ったし、その時にこの人の人生を知ってたら、知らないよりちょっとは深くムーミンたちの言葉が入ってくるんじゃないかと思いました。ムーミンの登場人物語録はわりと深いよなとは前から思っていたので。そこには作者の生き方の複雑さが反映されてるものだろうしな、と。
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