結局カレー

キャラクターの結局カレーのレビュー・感想・評価

キャラクター(2021年製作の映画)
3.5
Fukase〜〜〜ええやん!演技がどうってのもあるけど、Fukase自身のミステリアスな印象と演技初挑戦というベールに包まれた状態からのインパクトが相まって登場するとやっぱ抜群に目がいく。

キャラクター。漫画の登場人物をキャラクターと言う一方で、人の人格やポジションもキャラクターともいう。アイデンティティをもたぬまま育った人間に奇しくもキャラを付けてしまったようなもので、決して立ち入ってはいけないスペースに入り込んでしまったドキドキ感が終始続く。一家殺害後のFukaseの「疲れる…」ってセリフからこいつ殺意以上に使命感で殺ってんなっていうゾワゾワ。

問題は邦画のサスペンスやホラーでよくある警察無能展開。今回もノーガードの犯人に全く辿り着けないポンコツさは健全で少し残念。最終回を描く演出も「いやいやいや!家族も呑気に協力すな!!!」ってなってたけど、むしろ犯人が利口でブレかけたトンデモ展開を正してくれた。あとサイコキラーはいつまで経っても壁に写真を貼り付けるね。映画界のルールなんか?ちょいと気になったのが残念。

ラストは山城の抑圧されていた思いが溢れてくるようで、ずっと持ち続けていた恐怖心と育った狂気性が作品に織り込まれてきてついに自分と作品の境界線が曖昧になったんじゃ?って思わされる。ギリギリ踏みとどまった、のかな。
展開こそ調子良すぎたけど、見た後も色々考えたくなる割と好きな方のサスペンス。