ぼのご

Mr.ノーバディのぼのごのレビュー・感想・評価

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)
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平凡な日常が曜日ごとに紹介されていく序盤、テンポが良過ぎてもはや音楽笑

主人公は家庭でも職場でもあらゆる場所でナメられまくり。息苦しそうだな〜とぼんやり思ったけど、ナメてた相手が実は最強だった系の話で、主人公にしてみればこの平凡な日常は「想像以上に良かった」らしい。そうは言っても我慢の限界がきて実力があらわになってからの表情の方が全然生き生きとしていたけど笑

主人公の父親も似たような生き方をしていて、平凡な日常を楽しんではいたけど戦いの場に戻って「忌々しい事にこれが忘れられない」と良い笑顔で言っていた。代わり映えのしない毎日は彼らにとってひと時の夢みたいなもので、長く続けられるほど合ってはいなかったのかもしれない。

アクションシーンは人の命が軽くてバッキバキ。でも一応無闇に殺そうとしているわけではない辺り好感持てる。一室でのアクションから窓ガラスを割って飛び出た先の、別の場所のアクションもそのまま映していく撮影方法というのか空間の使い方も面白かった。
最強っぷりを示しながら「猫ちゃんのブレスレットを返せ」とか可愛らしいことを言っている場面もギャップが笑えた。イカついロシアンマフィアのボスが颯爽と現れ、舞台に上がってニコニコ踊り出す場面も可笑しくて、他にもちょいちょいクスッとくる場面を入れてくれるのが嬉しかった。

ナメられていた人が大勢を圧倒する展開は爽快だけど、それで周りからの評価が180度変わるのは必然ではあってもなんか悲しいな。そんな凄い人だってわかる前から善良な人として立派に過ごしていたんだから、そもそもナメられる筋合いなんてないのに。人をナメるのって誰しもやってしまいがちなことだけど、相当良くないことだと思う。その点、幼いながらに初めからお父さんのことを気遣っていた娘は天使だった。
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