ねこ無双

ベレニスのねこ無双のレビュー・感想・評価

ベレニス(1954年製作の映画)
4.8
短編なのでスルーでどうぞ。

ロメール×エドガー・アラン・ポー原作と聞いて、ずっと観てみたかった作品。
ベレニスは主人公の従姉妹の名。

父方の屋敷で暮らすふたりと幼い子(多分この子も従姉妹?)。
陽気だったベレニスは主人公の病に影響を受け弱ってゆく。
やがて二人は結婚の約束を交わすが…。

物を凝視し観察しつづけるという偏執的な行為をしてしまう男。だんだん歯に取り憑かれてゆく狂気。

田舎の忘れ去られた別荘という雰囲気がステキでした。
会話は全く無く、全編主人公の狂気めいたモノローグと音楽のせいなのか、目に見える映像はもしかしたら全て男の目に見える幻想なのではないかと思えてしまった。
途中、男の狂気がいきすぎて叫んでしまうシーンで思わず笑ってしまった場面も。

ベレニスのフラッシュ焚いたような連続ショットはホラー観てるみたい。
ノックするような音の正体は?
タバコ缶に最後入っていたもので明かされる衝撃。
とっても変態みがあって面白かった。
ロメール作品でこんな雰囲気の映画が観れるとは!