ひこくろ

コンフィデンスマンJP 英雄編のひこくろのレビュー・感想・評価

4.0
相変わらず頭をものすごく使った脚本だなあと素直に感心した。

章立てになっているが、章が進むごとに、それまでとは違った面が現れる。
こうだと思っていた事実が裏切られ、別の事実が明らかになる。
さらに、新しく出てきた事実が次の章ではまた簡単にひっくり返る。

本当のことはどうなのか。何が真実なのか。
観ていて頭がくらくらするぐらい、二転三転する。
これは、どんでん返し映画とか、伏線貼りまくりの映画とか、コンゲームものが好きな人にはたまらないだろう。

役者陣も相変わらずで、キャラクターを生き生きと演じているし、前知識なしでも楽しめるのもこれまでと同様。
とても良質なエンターテインメント作品だという印象は変わらない。
ラストのすべてをどんでん返ししてしまう展開も健在で、すっきりと気持ちよく観られる映画だろう。

ただ、こういう作風の映画だというのは、すでにこれまでのシリーズでも描かれていて、それ以上のものはなかった気がする。
どんなに事実の反転が面白くても、毎度毎度繰り返されるのでは、食傷気味になる。
特に前作の「プリンセス編」がその要素以外の部分も、ものすごく面白かっただけに、原点回帰したような今作には、個人的にはあまり魅力を感じられなかった。

初めて観るなら相当に面白い映画だと思う。
でも、この先も同じトーンで続編が作られるのだとしたら、僕はもういいかなあという気になっている。
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