【我、かぐや様全知全能人（かぐやさまぜんちぜんのうんちゅ）也】
～前作観賞体験含めたあらすじ～
TVアニメ『かぐや様は告らせたい』の大ヒットによるTLでのかぐや様ブームの流れに乗り遅れたことで歯がゆい思いをしていた平野レミゼラブルであったが、その明晰な頭脳をもって「そうだ！今度やる実写版を観れば皆との会話についていけるぞ！！」と思い立つ。しかし観賞後、「えっ原作のスーパードクター佐藤二朗は重要人物じゃないの！？」「えっ原作じゃ早坂さんの同僚にカメ止め！のおばちゃん（どんぐり）いないの！？」「会長のソーラン節でかぐや様の病を治すんじゃないの！？」「なんで原作じゃ生徒会総選挙でソーラン節踊らないんですか！？」といった感じに原作読者との間で『邦キチ！映子さん』における邦キチと部長のような認識の齟齬が発生してしまっていた…！
時は過ぎ2年後、相変わらずかぐや様の原作もアニメも観ないままの平野レミゼラブルであったが、そこに来て実写版の続編にして完結編が公開されるとの報せが入った！！2年前には知識不足故に既読者との間で乖離が発生していたため、この全てにケリがつく『ファイナル』さえ観れば遂に「かぐや様全知全能人（かぐやさまぜんちぜんのうんちゅ）」に成れると確信。知識マウントを取って来る既読者よりも偉大な存在と成るため、またしても初日観賞を試みるのであった……えっ！？原作はまだ連載中！？知らねーよそんなこと！！実写版が完結編って言ってるんだから完結編なんだよ！！うるせぇバーカ！！
邦キチ「部長！あの話題作の続編を観てきましたよ！！」
部長「おお！続編！！今の時期となるとアレか！『ドント・ブリーズ2』！いやあの作品で続編となるとイマイチ想像がつかなかったが……！」
邦キチ「いえ、違います」
部長「違うのか……じゃあ『ザ・スーサイド・スクワッド』か！？続編と言うより仕切り直しやリブートと言う方が正しい気がするが、流石ジェームズ・ガンって感じのやりたい放題っぷりで…」
邦キチ「いえ、それも違いまして、私が観てきたのは『かぐや様は告らせたい～天才たちの恋愛頭脳戦～ファイナル』でありまする～！」
部長「そっちかい！！」
邦キチ「続編ということもあって新キャラを続々投入しておりまして、全員キャラが立っていて魅力的でしたよ」
部長「まあ確かにどんな映画でも新キャラはワクワクするよな」
邦キチ「特に私が推したいのは風野でして…」
部長「…待て！風野って誰だ……」
邦キチ「えっ！？部長、風野をご存じでない！？もしや原作を読んでないのですか！？」
部長「読んでないのはお前だろ！また佐藤二朗とかどんぐりとかのオリキャラじゃないのか！？」
邦キチ「そんな…！部長、よく見てください！この筋肉を誇示している男が風野ですよ！（ポスター右下、つばめ先輩の横で力こぶを作るタンクトップ男を指さす）」
部長「誰だこのオッサン！？」
邦キチ「えっ！？本当に知らないのですか部長！？応援団長の風野ですよ！？」
部長「あっ……あ～～～いたなそんなヤツ！！えっなんでこんなオッサンなの！？というか、まず最初に応援団長に触れるか！？フツー！！」
邦キチ「何をおっしゃいます！部長！！この応援団長を演じてらっしゃる板橋駿谷さんはオッサン高校生界のホープなのですよ！！」
部長「なんだその限りなく狭い界隈は！？」
邦キチ「板橋駿谷さんは元々舞台を中心に活躍していたのですが、NHK連続テレビ小説『なつぞら』で当時34歳にして高校生を演じて話題になった方なのですよ～！そして現在37歳でありながらなお高校生役をイキイキと演じてらっしゃいまして、その鍛え抜かれた肉体と貫禄で見事ウェイ系を体現しておりまする」
部長「なんというか、アラフォーとは思えぬバイタリティだな…」
邦キチ「そしてこれが一番の驚きなのですが、この板橋駿谷さん、かぐや様と同時期に公開している青春時代劇SF恋愛映画の傑作『サマーフィルムにのって』でも同じく高校生を演じてらっしゃるのです！今最も高校生にピッタリなアラフォー俳優と言っても過言ではないのですよ！！」
部長「そこが被ることある！？というか、今言った映画のジャンルはなんだよ！？」
邦キチ「ちょっと気を抜くと会長のお父様にも見えてしまう風格は流石でしたね～。ところで会長のお父様は今回Youtuberになっておりましたが、これは原作でもそうなのでしょうか？」
部長「そこは合ってるが、ソーラン節の時といい拾う箇所が絶妙によくわからないな…」
邦キチ「なるほど～。では全裸監督になって会長に執拗に法螺貝を吹かせようとするのも原作と同じと…」
部長「同じであってたまるかよ！！なんだその意味不明な追加要素は！？」
邦キチ「ギャグも良かったですね～。特にかぐや様が北條美雲に変装するところなんかは…」
部長「待ってくれ、邦キチ……誰だそれは？」
邦キチ「えっ部長、映画の公開も決定した大人気TVドラマシリーズ『ルパンの娘』で橋本環奈が演じた北條美雲をご存じでない！？」
部長「残念ながら全く知らん」
邦キチ「そんな…！予告編の最後で怪盗一家の祖母であるどんぐりの入れ歯が取れる『ルパンの娘』をご存じないなんて…！ところで、前作には出演していたどんぐりさんが今回は不在だったのですが何故でしょうか？『ルパンの娘』関係で出せたと思うのですが」
部長「知らんことに知らんことを被せた上で質問するな！俺がわかるわけないだろ！！全く…ここまでわからんことになっていると映画自体も滅茶苦茶になってるんじゃないか？」
邦キチ「そんなことありませぬよ！今回『ファイナル』ということで、前作で目立っていなかった石上くんのエピソードをピックアップしてやり残しがないよう見事に完結させていました！もちろん恋愛映画の完結編としてもしっかりしておりまして、いや～最終的にみんなの恋が報われて良かったでありまする～！会長とかぐや様、石上くんとつばめ先輩、早坂さんと佐藤二朗……」
部長「最後結ばれちゃいけないヤツらが結ばれてるじゃないか！！」
邦キチ「大団円とはこのことでありまするよ～」
部長「あってたまるか！！」
