このレビューはネタバレを含みます
ムルソーがアラビア人を殺して捕まるカミュの「異邦人」を映画化したお話。イタリア語がイメージ違いすぎる…。アルジェリア舞台なのに。
ムルソーことマルチェロ・マストロヤンニが原作のイメージと全然違いました。演技はさすがですがこんな色男かなあ。感情的過ぎる気も。マリーことアンナ・カリーナも何か違う…。イタリア語もいけるんだ、くらいしか印象に残らず。
原作の表現を補強するようなクローズアップが多用されていましたが、効果的でなく辟易しました。何より、肝心の太陽の表現がイマイチ。やはり繰り返されるモノローグも、映像で表現することを放棄した苦肉の策のようにしか。
原作の再現という意味では完全に失敗しており、珠玉の不条理文学が、ありきたりな2時間サスペンスに書き換えられたよう。これを見るなら原作読んだ方が遥かにマシな気が。
原作を知らずに見たとしても裁判にリアリティーがなくハマらなかった気がして色々と失敗している映画でした。