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アメリカン・ユートピアのshxtpieのレビュー・感想・評価

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)
4.5
トーキング・ヘッズの作品も、デイヴィッド・バーンのソロも好きだ。『 American Utopia 』がリリースされる前も、シングルをチェックして聞いていた。けれども、正直に言うと、アルバムがリリースされてからは、「ふーん」とか思って一応聞きはしたものの、熱心に入れ込むことはなかった。なので、この映画、『アメリカン・ユートピア』に強い期待をかけていたかというと、実はそんなことはない。

それでも、『アメリカン・ユートピア』の評判は、海外での評価も含めて、漏れ伝わってきた。うーん。なんだか気になるぞ。

そういうわけで、仕事で見る必要もあって、滑り込みで試写で見させてもらったところ、めちゃくちゃ感動してしまった。うわあ。なんじゃこりゃ。

もう、冒頭から涙が流れる。 1 時間と 40 分ちょっと。もっと長く感じたし、もっと分厚く感じた。映画が終わるまでのあいだ、何度も泣いてしまった。音楽映画を見てこんなに泣くことってある? 音も、きわめてすばらしかった。

まず、第一に、パフォーマンスがすばらしい。歌も、演奏も、照明も、舞台の美術も、ダンスも、演出も。デイヴィッド・バーンは超人だ。そして、バンドメンバーも。第二に、メッセージがすばらしい。とてもアクチュアルで、なおかつ、ポジティビティと希望に満ちあふれている。そして、最後に、映画としてすばらしい。ライブフィルムとして、音楽映画として、最高だ。

すごいぞ、デイヴィッド・バーン。すごいぞ、スパイク・リー。

音楽を愛する者も、映画を愛する者も、ぜったいに見たほうがいい。音響の点でも、映画館で見ることを強くおすすめする。
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