忠直卿行状記のJayaのネタバレレビュー・内容・結末

英邁な大名松平忠直が周りのヨイショに気付いてむくれるお話。原作菊池寛とのことでしたが、今となってはかなり類型的に感じる描写。

阿諛追従にプライドが傷付いた君主が豹変、暴虐を尽くす…と、ここから忠直を斬りに動く与四郎は面白かったです。全ては真実を求める忠直の計算であったのなら、彼は狂っていた訳ではなく、余りに幼かっただけということに。

忠直を筆頭に余りに芝居がかっていてしんどい。バチバチのメイクに歌舞伎のような台詞回し。それでも忠直が一番マシでそれで保っているように感じました。

忠直や家臣の背景の描き方が薄く、一歩間違えれば、陰口に癇癪起こしたバカ殿の話で終わっていてもおかしくなかったのでは（バカ殿には違いないですが）。

もう少し悲愴感やそれゆえの必然性が加味されていれば、見応えのある作品になっていたのに、と感じる映画でした。