パーフェクト・ケア
"こんなロザムンド・パイクが見たかった" と思うのは、私だけではないはず。
法定後見人のマーラの仕事は、判断力の衰えた高齢者を守りケアすること。多くの顧客を抱え、裁判所からの信頼も厚いマーラだが、実は・・という話。
観客の共感など全く要らないとばかりに、マーラの冷酷で計算高い人間性をすべて曝け出し、逆に潔ささえ感じてしまうほど。とにかくロザムンド・パイクが圧倒的な存在感を放ち、まさに彼女の独壇場といった感じ。
合法なシステムを上手く悪用し、次々と詐欺を働くマーラだが、うっかり危険な領域に足を踏み入れてしまい、タフな展開へと転がっていく構成も見事。シニカルな脚本にしっかりと捻りも加えられ、満足度の高いクライム・サスペンスに仕上がっている。
ロザムンド・パイクの影に隠れてしまったが、マーラの相方であるフランシスを演じたエイザ・ゴンザレスの、研ぎ澄まされた美しさも本作のまた魅力。
ラストも納得の締め括り方で、あっという間の2時間。テーマ的に不快に感じる方もいると思うが、よくできた作品なので是非。