ましゅー

白い牛のバラッドのましゅーのレビュー・感想・評価

白い牛のバラッド(2020年製作の映画)
3.8
はい。やってまいりました。
安定の2ヶ月前劇場鑑賞録😂
と言っても珍しく2/19(土)・20(日)は劇場行脚をスキップしたんで(理由は…またいつか話します😅)、本作は2/26(土)に連続2作品観たうちの最初の一本ですね。
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ここ10年程はあまり大作々々した映画にそんなに興味がなくて😅どちらかと言うと限定劇場でしか公開されてない作品とか、これまで未踏の国々の映画を観る、なんて事にも興味津々でして…。
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で、本作、自身初のイラン映画鑑賞となったのであります😂
(正確にはイラン・フランス合作みたいですが)
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何より、煽り文句にある「衝撃の冤罪サスペンス」という言葉に異様に興味を惹かれ、そしてまた公開当時の複数の方々の称賛を目にして、前週飛ばした分もリカバリーせねばとの一心で、2作連続の鑑賞を決行したのです😔
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いやこれは…😓

観る前は、あの無機質なコンクリートの壁に囲まれた空間に象徴的に白い牛が佇んでいるビジュアルから、結構シュールなお話かと想像してたんですが
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実際は、ひと昔もふた昔も前の日本的な…いやそれ以上の女性としての生きづらさ、しかも未亡人という立場から来る不便さ・不都合さ・世間の目…そしてあまり軽はずみな事は言えませんが、我々の住んでる日本からしたらちょっとよく分からない、イスラム社会の理不尽さが際立つ、恐らく現実的な視点の状況・情景が連なっていたのであります😓

(なかなか厳しい現実ではあるものの、娘とのひとときだけが癒やしであったかも知れませんね〜😌)

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とはいえ、やはりそこは映画。
最初は素性のよく分からない男性が未亡人の前に現れ、そうした理不尽さからの脱却に手を貸してくれるようになり、そして…って劇的な展開が待ってはいるのですが😅
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その劇的さ加減も、私の受け取りとしては

大筋では理不尽なイスラム社会への、常識への、権威への、映画人(主演の女性が共同監督)としての疑問と反骨といった感じを受け
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さらにはその行く末は、観るものに委ねるという余白も感じ、なかなかに知的刺激を受ける内容だったな〜というものでありました😔
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私自身は特に信じる宗教もなければ、ましてや戒律などももってのほか。人間として、あくまでこれまで培ってきた常識の中で、やりたい事をやり、やってはいけない事はやらない、と至極真っ当な生き方をしてきたと思うのですが

ところ変われば…という側面をまさに見せつけられた、新しい刺激のあった映画だったとつくづく思います😐
今後もイランやその他イスラム圏の映画を観て、もっともっと世界に開かれた眼を養いたいな…と思った次第であります🙇
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(余談ですが、昨晩(今朝未明)には、アマプラ見放題終了間近という事もあり、ようやくアスガー・ファルハディの「別離」を観ました。こちらも…いや、それはまた別の機会に…)
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(以下 公式サイトより抜粋)
罪と償いの果てに彼女が下した決断が心を揺さぶる
気鋭の女性監督が放つ 衝撃の冤罪サスペンス
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自国では上映中止
イランからアスガー・ファルハディに続く新たな才能が誕生
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カンヌ国際映画祭の常連監督であるアスガー・ファルハディらを輩出し、世界的に注目を集める中東のイランから衝撃的な映画が届けられた。第71回ベルリン国際映画祭金熊賞&観客賞にノミネートされた本作は、これが2度目のタッグ作となる #ベタシュサナイハ 、 #マリヤムモガッダム の共同監督作品である。主人公のミナは、愛する夫を1年前に冤罪で処刑されてしまった女性。女優として長いキャリアを持つモガッダムは主演を兼任し、女性差別的な法律や風習が残るイランの現状を描出。未亡人でシングルマザーでもあるミナの苦闘を通して、“女性の生きづらさ”という普遍的な共感を呼び起こすテーマを追求した。
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しかも本作は、多くの観客が予想するような再生や癒やしのドラマではない。日本と同じく死刑制度が存在するイラン社会の不条理に切り込んだモガダム監督は、あらゆる観客の心を激しく揺さぶり、ショッキングな結末が待ち受ける冤罪サスペンスを完成させた。すでに国際的な評価を確立したアスガー・ファルハディ、『悪は存在せず』で第70回ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞したモハマド・ラスロフに続く、新たな才能の誕生を告げる一作である。なお自国ではイラン政府の検閲より正式な上映許可が下りず、3回しか上映されていない。
(以上 引用終わり)
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