2023年35本目。公開記念舞台挨拶にて。
水木しげる生誕100年にしてついに語られる、鬼太郎が誕生した経緯。その壮絶な過去。
舞台は70年前。昭和31年の哭倉村。この村は日本の財政界を裏で牛耳る龍賀一族によって支配されていた。
そんな哭倉村に足を踏み入れたのは、密命を背負った男 水木と、行方知れずの妻を探す鬼太郎の父だった。
龍賀一族の当主 時貞が亡くなり、一族の間では跡継ぎについての醜い争いが始まっていた。そんな中、村の神社で、一族の1人が惨殺される…
やがて明らかになるこの村の大きな闇。水木の密命とは、鬼太郎の母はどこにいるのか。ホラーにサスペンス色強め、ドロドロした人間ドラマを絡めて描かれる大人向け鬼太郎の名作誕生。
水木しげるが生前描くことのなかった、目玉おやじの生前の物語。目玉おやじは鬼太郎がそのまま大きくなったような姿。そして鬼太郎誕生と目玉おやじが目玉になるこの物語に大きく関わっていくのが、水木という男。次第に築かれていく2人の関係性がとても良かった。
それにしても、この物語悲しすぎる…闇深すぎる龍賀一族。色々言っちゃうとネタバレだから言えないけど、闇深いし閉鎖的な集落ってマジで怖い。集落に関わらず、閉鎖的な世界って化け物を生み出しやすいですよね…
監督が言ってもOKと言っていたので言うと、生前の目玉おやじの入浴シーンと、ぬるぬる動きまくるアクションシーンには要注目！アクションシーンカッコいいです！霊毛ちゃんちゃんこにまつわるエピソードも描かれる…！？沢城みゆきさんは、「もうこれからは、おいそれとちゃんちゃんこ投げれない」と言ってました笑
生前の目玉おやじ、白髪に着物に、老人のような言葉遣い。そして声は関俊彦さん。色んな人の刺さりそう笑
そして目玉おやじと行動を共にする水木もまたカッコいい。顔に隠せない傷があったり耳が欠損していて、スーツ姿。こちらもファンが増えそう。
哭倉村にも登場するねずみ男は、唯一心が安らぐ存在。全編通して重めのストーリーなので、ねずみ男は必要不可欠です笑
戦闘シーンも、昭和の田舎の景色も、本当に美しく描かれていて、指定された上映時間では足りず、監督は泣く泣くシーンを削りながら作り上げて行ったそう。その苦労の通り、すべてのシーンに意味があって、真に迫るものがある物語でした。エンドクレジットでさえ物語が絶え間なく続き、ポストクレジットの映像に繋がります。
ぜひ最後まで席を立たずに！
