「友よ、お主が生きる未来…この目で見てみとうなった！」
ここだいすき🥺
昭和31年。日本の政財界を裏で牛耳る龍賀一族によって支配されていた哭倉村。血液銀行に勤める水木は当主・時貞の死の弔いを建前に野心と密命を背負い、また鬼太郎の父は妻を探すために、それぞれ村へと足を踏み入れた。龍賀一族では時貞の跡継ぎについて醜い争いが始まっていた。そんななか村の神社にて一族の一人が惨殺される。
鬼太郎の映画は小さい頃に妖怪ポコチン？みたいなとんでもない名前の妖怪が出てくる作品しか観ていない鬼太郎弱者ですが、他の映画にも触れてみようと思うほど面白かった。ちなみに鬼太郎と目玉おやじさえ知ってれば問題ない内容だと思います。
本作はまさに横溝正史な世界観に妖怪をプラスしたような展開。こういう隔離された村で起こる権力争いの殺人事件は大好物。なんなら予告を見たときから鬼太郎要素はどうでもよく、この舞台設定が気になって行きたくなったくらい。殺人事件もので「なんでこんな目立つ殺し方するんだ」ってツッコミポイントも本作は超常的な要素が絡んでるから良し。
めだま親父＝ゲゲ郎も好きだし、鬼太郎のもう一人の父である水木も非常に良かった。水木が出世欲にがめつくタバコをポイ捨てするようなちょっと世俗的な人物だからこそ、最後に黒幕に放つ一言が余計にグッとくる。いくら昭和30年代が舞台とはいえコンプラ意識が過敏な昨今、タバコ描写をちゃんと描くのが好印象。水木がただの好青年なら咳き込む女の子に気を遣ってタバコ消してそう。
水木とゲゲ郎のバディ感が最高だし、腐女子のお姉様もカップリングで楽しめると思います。タートルズやスパイダーバースのようなアニメーションのネクストレベルに達するような作画ではないですが、それでも迫力ある戦闘シーンも何箇所かあります。まあ海外アニメと予算も全然違うだろうしね。予想より遥かに面白かったし傑作アニメと言っていいと思います！
