彦次郎

シン・仮面ライダーの彦次郎のレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.5
緑川弘により生体エネルギー・プラーナなるもので変身昆虫合成型バッタオーグとなった心優しい青年本郷猛が緑川ルリ子や政府機関の男たちと協力して世界征服をたくらむ組織SHOCKERと戦う特撮モノ。監督は庵野秀明でシンシリーズに属する作品。ゴジラ、ウルトラマンと続いての仮面ライダーという訳です。そのため政府の男が竹ノ内豊氏、情報機関の男が斎藤工氏とシンシリーズでリンクさせているようにしているのが隠し味になっています。原作の石ノ森章太郎氏の漫画くらいは読んだことはありますが人気となったドラマ版は未視聴のためどの辺りが新解釈なのかは分かりませんでしたがぶん殴ったら血が大量に出る残酷描写、死ぬと気化するといった演出などは多分旧作にはないものと推察されます。
蜘蛛、蝙蝠、蠍、蜂、蟷螂・カメレオン、蝶と多彩なオーグが登場してくるのが良かったです。ただ蜘蛛が口ぶりといい1番個性的であとの連中はまあそれなりといったところ。蠍は長澤まさみという豪華さですが政府筋にやられてしまうというのも話のテンポから仕方ないですがオーグの水増しで1つ1つのエピソードが薄まった感があります。
本郷猛が優しい性格というのもあって「私は常に用意周到なの」と冷静沈着かつ頭脳明晰な緑川ルリ子に振り回されているような感じもしますがこうでもしないと闘いにならないため致し方ないところでしょうか。
SHOCKERの正式名称が"Sustainable Happiness Organization with Computational Knowledge Embedded Remodeling(計算機知識を組み込んだ再造形による持続可能な幸福組織)"とかいうクソ長さで世界最高の人工知能から人類救済を考えるという人によっては善とも解釈される存在。ラスボスとの決着も綺麗ですが個人的にはスッキリしませんでした。それでも自身の行動基準を持つ一文字隼人が仮面ライダー2号として1号と11人の大量発生型相変異バッタオーグという文字通りバッタものと戦う場面が熱かったです。
それにしても大御所的なキャラを使用したシンシリーズですが次に期待したくなります。『シン・ガメラ』、『シン・大魔神』、『シン・ギャバン』、『シン・ゴレンジャー』…どれも無さそう。とすると今作で完結しそうな気もしてきました。
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