『八月の日曜日』

まあ八月だし、暑ぃので、大勢の皆さんがビーチに大集合しました。
電車で来る人やクルマで来る人やバイクで来る人やチャリで来る人や、いろいろです。

昔の水着はブサイクです。特に男用の今いちフィット感の無いブリーフ型のやつ。これは恥ずかしいです。

何人かの登場人物たちの小話の寄せ集めです。単なる暑い日の日常です。

フランコ・インテルレンギがシャラメ以上に光り輝いてる。リド・ディ・オスティアという海岸に人々が押し寄せて息を吐く間もないセリフの応酬はまさにイタリア映画！恋人が逮捕されたり馘になったり別れたり大変忙しいが大人たちのほろ苦さに比べ若者の恋は期待を込めて終わる。地雷原を避けて林を抜けていくスリルが2人の愛を強める。観客は劇中に出てくるお使いばかり頼まれる小さな子どものように振り回される！

アマプラ。24-123。マストロヤンニ祭り。邦題「八月の日曜日」。ルチャーノ・エンメルの長編映画デビュー作。

八月の日曜日、朝から晩まで、ローマからオスティアの海外へ向かい、またローマに帰ってくる。時間、場所、テーマが同じだからアリストテレスの「三一致の法則」ってやつだね。

マストロヤンニは端役だけど、そもそもこの映画に主役はいない。オスティアの海岸に向かう２家族、金持ちの恋人ができた庶民の娘、その娘の恋人で強盗を働く男とその取り巻き、交通整理の巡査（マストロヤンニ）と結婚予定のお手伝い娘、そして妻を亡くして父と娘と新しい恋人、その娘を預けようとする寄宿舎、その寄宿舎に娘を預ける未亡人などなど...

ドキュメンタリー映画を数々撮り、その後はテレビで活躍したエンメル。これだけの登場人物をまとめる手腕は確か。脚本にはザヴァッティーニの名前も。原案はセルジョ・アミデイ。

それにしても、この映画そのものがドキュメンタリーみたい。戦後まだ6年ぐらいのローマの夏、大勢が海水浴場に押し寄せる姿は見もの。