Mayo

ディア・エヴァン・ハンセンのMayoのレビュー・感想・評価

3.9
ブロードウェイで開幕してからずっとずっと見たかった作品。CDもこれまで幾度となく聴いていますが、とにかく歌が良い!「ラ・ラ・ランド」「ザ・グレイテスト・ショーマン」のベンジ・パセック&ジャスティン・ポールの作る音楽は、聴いたら忘れられないメロディーが多くて、“名曲“感が強く、トリコになってしまう。

そんな名曲の数々を、オリジナルキャストのベン・プラット主役で映画化してもらえるなんて、最高ですありがとうございます!!
と、思う一方で、ブロードウェイに進出した当時まだ20代前半だったベンもいまや28歳。顔がふっくらしてきたのもあり、やや映像だときつくも感じてしまった。
それに加えて、周りを固める若いキャスト、特にゾーイ役のケイトリン・デヴァーと、アラナ役のアマンドラ・ステンバーグがめちゃくちゃ良かっただけに、もう少し若いキャストにしてしまってもそれはそれで良かったのかも?とも思ったり。
それでもやっぱりベンプラの歌声は素晴らしくて何にも変え難いんだけどね。

ミュージカルの映画化ではあるけれど、思っていたよりかなりリアルなドラマに落とし込もうとしているのがよく分かった。
台詞から歌に入っていくことを大切にしている感じ。全編ではないんだろうけどその場で歌っているのをそのまま使っているんだろうなという部分も多い。
曲も2曲追加されてストーリーにアレンジも加わっているとのこと。

確かに身近すぎるくらい、現代を生きる我々にとっては身の回りに起きそうな話をミュージカルにしているわけだから、映画化する際にそっちに持っていくのはそりゃ自然な流れなのかな、と思いつつ、あまりにリアルなドラマに引っ張られすぎていてミュージカルシーンが勿体ない感じがしてしまった。映像ならではの演出がもっとあっても良かったのに。
最初の「Waving through the window」もカットが割れすぎていて何だか違和感感じてしまった。
こんなに歌で聴かせるミュージカルなら舞台版がやはり観たいなと思ってしまった。舞台でどんな演出がされていたのかとても気になる…

エヴァンの気持ちはわかりづらかったな。スピーチの時、倒れたなぜエヴァンがなぜまた語り出すのか?
コナーの出番はこんなに少ないの?コナーはなぜ冒頭でエヴァンにちょっかいをだしたのか?とかも気になる。

と、色々思ったけど、やっぱりお母さんとのシーンは良すぎて泣いた。引越しトラックの歌詞に感動。もうジュリアン・ムーア演じるお母さんとエヴァンとの2ショットのみ、立ち上がったりもしない!と決めたあの演出が良かった。
ジュリアン・ムーアとエイミー・アダムス、2人の母親が当たり前だけど素晴らしかった!

それから時折挟まれる国立公園での回想はとても印象的でよかった。最後に驚きの事実につながる。

「ユニークライフ」のニック・ドダニもっと出て欲しかったなー!“主人公の友人“の役がこれほど似合う人いない。力の抜け具合が最高です。

総括すると、べんプラの歌声と、2人の母の演技力、2人の女子のフレッシュな演技と歌、それだけでもう観る価値ありありな作品。舞台版はいつかちゃんと観たい!
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