記録。
望みは共生
SSFF & ASIA 2022「戦争と生きる力プログラム」の一環でオンライン配信中のフランス産ショートアニメ。
本作の主人公は可愛いシロクマ親子。
地球温暖化の影響で故郷の北極を追われ、辿り着いたのはヒグマの縄張り。慣れない環境で新たな住処を探す親子に待ち受けていたのは…。
色んな意味で秀逸な作品でした。
本質じゃないことは重々承知なんですが、ニット編みで表現されたシロクマ親子がめちゃくちゃ愛くるしいんです。お尻とかもうずっと見てられる気がします。
可愛いだけじゃなくて、
子の無邪気さだとか、親の子に対する慈しみだとかがハッキリ伝わってきますし、セリフなんか一つも無いのにとっても雄弁。
クリエイターの拘りが感じ取れます。
作品が放つメッセージとしては非常にストレートでシビアなもの。可愛らしい世界観とのギャップがテーマを更に際立たせているように思えました。
“彼ら”はクマにしてはそれなりの文明を築いています。社会性もあるようですし、なんといっても二足歩行…なるほどね。
さぁ果たして“彼ら”の行動は我々にとって他人事、或いはファンタジーとして傍観できるものなのでしょうか。それとも…?
2020年に制作されたこの作品が「戦争と生きる力」に相応しい世相になってしまったのは悲しむべきことでしょうね…。