ねこ無双

パリ13区のねこ無双のレビュー・感想・評価

パリ13区(2021年製作の映画)
4.5
予告編で聴いた劇伴とモノクロの映像に魅せられて、これはぜひ観たい!と思ってた映画。
女性のグーのパンチシーンもインパクト大でした。

『燃ゆる女の肖像』のシアマが脚本参加。
4人の男女が交差する恋愛群像劇。

主要登場人物は4人。
台湾系フランス人のエミリー(ルームメイト募集中)、
アフリカ系フランス人のカミーラ(女性っぽい名前だけど男性。教師休職中)、
田舎からパリに出てきたノラ(一念発起して30代で大学へ復学)、
アンバー (職業ポルノ・ライバー。ノラはそっくりな容貌で周囲にアンバーとして勘違いされてしまう)

思ってたよりも性描写はかなり強め。
でもそれは艶やかで喜びに満ちていて、過剰にエロくは感じられなかった。(まあ正直劇場で観ててちょっとだけは気まずかった💦)
全編モノクロの映像のなせる技なのか、4人のドラマがより鮮やかに息づいて見える。

肉欲では簡単に近づけるのに愛にはそう出来ない。
会話を通して理解が深まりようやく到達出来る感情。
ノラがあまりの至福感から倒れてしまう場面、エミリーがインターホンで話す場面は胸いっぱいになりました。
何か少し違っていたら、望むものもわからないまま物語が別の方向へ動き出すこともあったのかもしれない。

その後のキスシーンは多分モノクロだったはずだけど、自分の記憶ではなぜかカラーでキラキラ変換。
いや、たしかにモノクロだったはずだけど。
いろいろ恋愛問題児な面描かれるけど、観てるうちに登場人物が好きになってく、愛おしくなっていく映画でした。