B5版

かもめ食堂のB5版のレビュー・感想・評価

かもめ食堂(2005年製作の映画)
3.9
アマプラ見放題が終わってしまった。

個々それぞれに地に足をつけて生きる人々、それでいて夢物語のような側面もある、ゆったりとした愛でるべき日常を描いた美しい映画。

ヘルシンキは華やかとはちょっと違うが、本当に絵になる街だと思う。
この映画を観ると数年前にフィンランド旅行に行った時にこの街の人と触れ合った心地良さが蘇ってくる。 
この作品は旅の思い出の外部記憶装置といったポジションなのかも。

適度に周りや他人に興味がなくて、押しつけのない親切で回っているようにみえた、
あの社会はなんであんなにも素敵なんだろう。
嬉しいことも悲しいことも、感情を丁寧に咀嚼して偶然出会った人達と暮らすように働く。緩やかなBGMのままに導かれていく生き方を何度も何度も羨ましく思う。

ドキドキ、ハラハラ、考察の余地とはあまり縁のない映画だけど、私の中では生涯ベストに並べておきたい愛着のある一作だ。
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