10円様

モガディシュ 脱出までの14日間の10円様のレビュー・感想・評価

3.7
 ソマリアか…

 ソマリアを舞台にした映画と言えば「ブラックホークダウン」と「キャプテンフィリップス」を思い出しますね。この二つを観ていて思うんですよね。ソマリアの民兵も政府軍も、なんか不気味な強さが感じられるんですよね💦韓国の軍団がソマリアの海賊に拉致されたって事もあったしね。「ブラックホークダウン」では米軍にとってはなんて事ない作戦なのに水際で激戦化させたし。

 ソマリアの軍事力ランキングは現在135位らいしいですよ。下から3番目です…
 そんなソマリア兵、なんだかどんな映画でも残忍さばかりが全面に出てきますよね。もちろん本作もそんな感じです。
 まあ物語に善と悪って構図を持たせた方が感情移入しやすいし、エンタメとしては間違ってないんですが、ちょっと浅はかというか……というのは思いましたが作品的にはかなり良かったです😊
 「韓国と北朝鮮が協力して互いを思いやり…」ってのに毎度の事ながら泣かされるんですよね🥹
 「ハナ〜奇跡の46日間〜」って映画がその最高峰で、苦難や逆境の中で芽生えた絆が政治や民族思想を超えるって流れがベタだけど琴線に触れまくりなんですよね。

 紛争とスポーツ。ジャンルは全く異なりますが、どちらも最後には涙無しではいられないでしょう。

 本作、それだけではありません。思った以上にスリリング、且つアクションにも抜かりがないんですよ。ソマリア兵、特に少年兵の描き方が韓国産ホラーそのもので、背筋がゾッとしました。途中1対1で殴り合うシーンがあるのですが、けっこうジャッキー並の格闘術があってそこはミスマッチでした。
 最初は人物相関を追ったり政治情勢を理解するので疲れましたが、波に乗っちゃえばラストまで釘付けです😊
 
 本作は韓国のアカデミー賞的なものである青龍賞を受賞した作品です。なかなか歴史ある賞なんですが、調べて行くと作品賞と監督賞が別々の作品ってのが多いんです。でも本作はその2冠を獲っていましたね!相当なパワーがあったという事かな?

 あ、ちなみに私のお気に入りのシーンは北朝鮮と韓国の人たちが長テーブルで分かれて向かい合い食事をするシーンです。
 セリフは一言もないんですか、「食卓を囲む」という事の大切さが分かりましたね😊
10円様

10円様