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007/サンダーボール作戦のtjZeroのレビュー・感想・評価

007/サンダーボール作戦(1965年製作の映画)
3.8
007シリーズ第④作、初めての超大作の誕生です。
前作『ゴールドフィンガー』は大当たりしました。現在の貨幣価値に換算しても、シリーズ最大の成功作でしょう。
全世界で大ヒットしたため、本作に莫大な製作費が投入されました。イアン・フレミングの原作の中でも特にスケールの大きい『サンダーボール作戦』の忠実な映画化です。

前作までは、優秀なスパイであるジェームズ・ボンド個人の裁量で何とか解決できる事件が中心でした。
それが本作では陰謀の規模がスケールアップ。NATOや各国の思惑が入り乱れ、いくら007といえどもチームの一員、歯車のひとつとしての役割にすぎません。
ただし、ショーン・コネリーの存在感は抜群で、チームの中に埋没するどころか、むしろ大いに目立っています。

彼を引き立てる、テレンス・ヤング監督の演出も光ります。①②④で監督を務めた、シリーズ初期の功労者。③のガイ・ハミルトン監督が、ボンドのユーモラスでお茶目な魅力を引き出していたのに比べ、ヤング監督作でのコネリーはよりダンディで、野性味がギラギラと感じられます。
作品全体としては、細部に金をかけすぎて冗長になってしまった感もありますが、コネリー&ヤング監督によるボンド役の造型がすぐれていて、お腹いっぱいになりながらも飽きずに最後まで楽しめます。
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