旅客機がハイジャックされた! しかしテロ集団に蹂躙される乗客の中にはヴァンパイアが紛れ込んでいた……というとんでも映画。正直これ以上でもこれ以下でもない作品。
終盤はもはやゾンビ映画的に展開するため、ヴァンパイアとしての理性や尊厳を出してほしかった気もする。ただ、ほかの乗客に怖がられながらハイジャック犯と戦い、野生と理性の狭間に苦しみながらも子どもを守る母の姿などは斬新だし胸を打つ。ヴァンパイアの遠慮のないビジュアルも好感。
悪意はなくとも利己主義な一般市民が群れてパニックを起こすことで、結果として人を殺めてしまう様は往年のゾンビ映画と同じ様式美。
ただ尺が長いのと、時系列操作のせいで展開が読めてしまうのが残念。
ハイジャックの手際のよさと快楽殺人者役のアレクサンダー・シェアの活き活きとした演技は良かった