6

流浪の月の6のレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
4.9
エンドロールから立ち上がるまでにかかった時間No.1映画。今年観た映画の中で一番衝撃的だった。衝撃すぎて何も考えられなくなっている。ただそんなことも言っていられないので必死に考えながらレビュー書いてます。何が衝撃だったかは絶対に言えません。ただ、ユージュアル・サスペクツよりは全然衝撃なんじゃないかな。横浜流星がなかなかの役を演じているので目が行きがちだが、あんなの全然脇役だ。というか、松坂桃李以外全員脇役だと思います。
分かりあえているようで分かりあえていない。それでも分かり合おうとする。フミの持つ秘密一つで、物語の一つ一つの意味が変わってくる気がして、思考が追いつかない。「決めつけの世の中に反吐が出るな〜」なんて一丁前に考えていたが、決めつけていたのは俺自身だった。「人は見たいようにしか見ない」これはその瞬間、この映画を観ている俺達自身のための言葉だった。あんたはどうなんだと言われているようで、周りとは違うだなんて何故思い込めるんだと言われているようで、なんだか凹んだ。ココがこの映画の肝だと思う。「人にレッテルを貼ること」、「自分の中の思い込みに疑いもなく確信して、物事を見ること」、それに対して圧倒的な嫌悪感を抱かせておきながら、それはこの映画を観ている俺自身も例外じゃない、そう気づかせる構成になってる。そこが兎に角ヤバいんです。そういった意味では、観た人間の自尊心を下げる悪質な映画です。もはやテロと言っていい。そこまでして体を張って観たのに、この映画を観てどうやってこれからの人生に生かしていけばいいか分からない。ただ、俺自身も、人を見たいように見る人間だったと分かっただけだった。観てよかったが、観なければよかったとも思う。自分の欠点なんて、知りたいようで知りたくない。世の中には知らない方が幸せなことが多すぎる。ただ、知ることに対する価値基準は人それぞれです。ソクラテスは無知の知を強要してくるけど、奴自身にそんな資格はないのです。それでも俺は不幸せになるために、計画性の無い探究心を振りかざして、これからも色んなことを知っていくんだと思う。だから映画を観る。自分は一体どこに向かっているのか分からないが、それでも時間は残酷にもただひたすらに進んでいくので、今日のところはこのへんで考えることをやめます。皆様多忙な人生勤め、本日もクソお疲れ様でございました。
なんか、思えば思うほどクソスゲぇ映画だった。別に面白くなければエモくもないけど、かなりヤベー映画だと思います。(考えることをやめたことによる語彙力の欠如)
6