ぎー

流浪の月のぎーのレビュー・感想・評価

流浪の月(2022年製作の映画)
3.8
【第46回日本アカデミー賞特集6作品目】
【李相実特集3作品目】
演技力がすごかった。爆発してた。
広瀬すずも松坂桃李も。
横浜流星もすごかったけど、広瀬すずと松坂桃李が凄すぎる。
広瀬すずはもはや完全にただの国民的美少女ではなくなった。
日本を代表する圧倒的名女優。
表現にセリフを必要としていない。
振る舞いや表情で全てを表現し切っている。
圧倒的だった。

原作を読んでいたから内容は知っていたけど、粗筋も圧倒的だった。
皆それぞれに事情を抱えている。
それぞれが生きたいように生きれば良い。
余計な詮索をする必要なんてない。
もしかしたら何も知らない他人から見たら違和感があることもあるかもしれない。
世間的に見たら誘拐犯と被害者が交際してるなんて、とんでもないことかもしれない。
でもそこには事情があって、背景がある。
他人に迷惑をかけていないのなら、そっとしておけば良い。
何も知らないのに知った口をして他人の人生を滅茶苦茶にする権利なんて誰も持ってはいない。

過去への詮索もそう。
皆それぞれ大なり小なり過去に何か抱えてる。
何か迷惑を受けたりした場合や、何かを委ねる場合は、どうしても相手の人となりを調べないといけないかもしれないけど、そうでもないのに、自分を満足させるため、溜飲を下げるために、過去を詮索して、それを誹謗中傷する権利など誰も持ってはいない。

故郷で撮影された映画ということもあって、しっかりと没入できた。
確かに風情はあるけど、派手さがなく、静けさ故に暗さを抱えたように映る故郷は撮影地として適切かもしれない。

本屋大賞受賞作は原作の素晴らしさ故、どうしても実写化が原作に敵わないことが多い。
本作は素晴らしい実写化だったと思う。
ぎー

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