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ARGYLLE/アーガイルのナーオーのレビュー・感想・評価

ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)
2.0
パロディのパロディはなかなか辛い…

『キングスマン』シリーズのマシュー・ヴォーン監督最新作。ちょうど10年前に『キングスマン』1作目が公開され、当時はスパイアクション映画の新たな傑作と絶賛され、その年のオールタイムベストに挙げる人も多かったですが、10年前の才能はどこへやら…

既に公開されているアメリカでは批評的にも興行的にもかなりの苦戦中。Apple製作のオリジナル映画としても失敗作と囁かれているそうですが、まぁ それも無理がないかな…という印象です。

とは言え、小説世界と現実世界を交互に描く構成はとても面白かったです。

特にオープニング。ヘンリー・カヴィル演じる角刈りスパイのアーガイルが『007』のジェームズ・ボンドのように登場し、悪女と変なダンス。ベタな台詞やベタな展開。『ワイルドスピード』シリーズのような物理法則を無視した荒唐無稽なアクションが満載。CGのチープさが賛否両論のようですが、あえてチープなCGを多用していることによって現実離れした雰囲気を作り出せていて良かったてす。

ただこの構成にするんだったら、現実世界のアクションはCGに頼らずにもっとハードにやるべき。個人的にガッカリしたのは現実世界のアクションです。前半はマシですが、後半になれば小説世界と同じようにCGばかり… これならこの構成である意味がない。例えば、現実世界のアクションは『キングスマン』のようにちょっと過激にすると 色んなやり方があったはず。今更こんなマイルドな『キングスマン』を見せられても物足りない…

『キングスマン』は"007などのスパイ映画風"の映画だったのに対して、本作は"キングスマン風のスパイ映画"なのでパロディのパロディは単純につまらなかったです……
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