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デモニックのhorahukiのレビュー・感想・評価

デモニック(2021年製作の映画)
3.1
Live a life of love and happiness‼︎

未体験ゾーン2022公開作。『第九地区』のニールブロンカンプ監督が久々に撮った長編SFホラー。老人ホームに放火後、意識不明となってしまった母親の意識の中に侵入して悪魔祓いをするという科学技術とエクソシズムの融合!燃やすことが大好きなカラス顔悪魔さんのビジュアルが良い!

科学技術×エクソシズムは『デビルスピーク』が40年前に既にやってるし、意識に侵入して…ってのも最近でも『ポゼッサー』とか夢だけど『インセプション』とかあるし、悪魔に銃で…も『エンド・オブ・デイズ』があるし(実際にクライマックスはほぼ『エンド・オブ・デイズ』)で、目新しさはないのだけど、意識侵入シーンの新鮮さだけは本作の強みだと思う。

というのも俳優を3次元キャプチャーするボリューメトリック・キャプチャーという映画では初めて使われる技術を使用しているようで、周囲の風景と明らかに解像度が違う人物が動き回るのはゲーム映像を見ているような感覚。でも強みなのにそれほど利用していないっていうのが残念…😓

最近でも寝たきりの人とのコミュニケーションに使える…とかでテレパシー技術の研究が去年日本でスタートしたみたいなニュースあったけど、閉じ込め症候群の患者の意識に侵入してコミュニケーション取ろうとする本作もまさに同様な技術だし、割とタイムリー!

本作は疎遠状態にあった母親と主人公の関係修復の再生物語になっていて、この手の映画では良くあることだけどエクソシズムの対象は主人公。意識空間における光や母親対面時の会話を少しずつ変化させていくことでその過程を描く…的な感じ。意識面で閉じ込め症候群になってしまっている主人公にとっての治療映画。

ヤカンの沸騰音→コップを置く挙動と笑顔にゆっくりとズームするだけで不穏を急速に高める演出は手堅いのだけど、それ以外では恐怖演出に特に見どころはなかったし、ブロンカンプ監督作だから期待してたけど思った以上に微妙だった…😓
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