ピクサーにはアニメと特撮と魔法少女とアイドルとあらゆるオタクの生態に詳しい製作陣にいるんだね。
全体的にハイテンションでオタクあるあるの描写も面白くて、こんな友情サイコーじゃん!と面白かったところもあるんだけど…
何もかも支配する母と存在感が希薄なパパ
。子供は自分の理想のお人形。
抑圧された子供の心の叫びは、癇癪や気の迷いとして勝手に処理される。
今作の毒親描写が生々しく精巧すぎて、それゆえにラストの展開が人によってはキツいものになると感じてあまりのれず。
今作レッサーパンダはインナーチャイルドの現れとして描いてる。
本来心の傷の克服は容易ではない。
しかし人生が思い通りいかず母との関係にも悩んだ末にネガティブが肥大した母親のインナーチャイルド(レッサーパンダ)を、この物語は最終的に子供から救いの手を差し伸べさせるのである。
レッサーパンダに置き換えているが、この構造はかなりグロテスクで残酷に思える。
連鎖してきた悪しき優しい虐待の連鎖を断ち切る役目を果たすだけでなく、主人公に母親の心の傷もケアさせるヤングケアラーの役目も立派にはたさせめ親子仲修復!ファミリー万歳!ハッピーエンド!
との看板を掲げるのは現実毒親に苦しんでる人にとって絶望なんじゃあ無いかな…
ディズニーって毒親がデフォルトみたいなところあるけど、前半描写が今までになく生々しいので余計にそう感じた。
無償の愛を捧げてるのは子供側である、とはよく言ったものだなぁ。