三郎丸

ブレードランナー ファイナル・カットの三郎丸のレビュー・感想・評価

4.6
公開当時は不人気だった本作、しかし今では不動のSF映画の古典でありバイブル的存在。
この映画をコケにしますと
「ブレードランナー大好き人」
たちから返り討ちに遭うこと必至の人気作。

フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」が原作。
ワタシは学生時代にソッコー読破し、映画とはまた一味違って面白かったと記憶しております。
原作もオススメです!

ストーリーは、
元特捜(ただの殺し屋)のデッカード(ハリソンフォード)が、宇宙で悪さをしたアンドロイドが地球に逃げ込んだってことで、強引に復職させられる。
アンドロイドとの闘い(ヒクくらいに、ほぼデッカードはヤラレッパなんですが…)をリドリースコットが新宿の歌舞伎町等をヒントに作り上げた近未来都市を舞台に描いてます…

ワタシの初見は実は小学生時代でして、この映画の良いところは、古典といってもいいようなシンプルな出来であることから、何度観てもスッと世界観に入り込めるところ。
ハリソン・フォードが敢えて落ち着いた渋い演技をしているため、毎回観る度にワタシは好感を覚えているのですが、
「スターウォーズ」や「インディジョーンズ」での元気いっぱいスタントをしなかったのが本作公開当時、鑑賞者の不評を買ったという話もあります。

今、見返してみても
【エヅラの古臭さ】
を感じないし、
【どれもこれも見たことあるような映像】
なのは、
現在に至るまで、どれだけの映画監督やマンガ原作者等にこの映画が影響を与えてきた事であるかの証明だと思います。(未だに近未来的作品のマンガでデッカード風の刑事は定期ですから…)
SF映画なのに、街のあちこちに異国情緒を差し挟んで文化の多様化を図った事から妙に親近感を覚える絵になっております。
リドリー・スコットは、映画「ブラック・レイン」でも殆んど同じような舞台を作っており、大阪のロケで街の側溝にドライアイスをモクモクと焚いてブレードランナー的街づくりをしていた(当時の関西人をざわつかせたようですが…)のは非常に面白かったです。
日本=ブレードランナーの街な図式が頭の中で出来上がっていたのでしょうか?

ここでワタシ厳選オススメポイント
・主人公デッカードの弱さ!
ぶっちゃけほとんどレプリカントにヤラレッパ…1対4ですし。ハンドガン片手に立ち向かう無謀さに乾杯!
ヤラレ過ぎて終盤戦ヨレヨレです…
口髭のオッサンレプリカントにデッカードが銃向けて、すかさず片手でパッシー!と唯一の相棒武器をスッ飛ばされる無力感!なシーンは特にオススメ!
・ハリソンフォードの不器用っぷり
行きつけクサい蕎麦屋の蕎麦がすすれません…(慣れた感じで割り箸のささくれはイッチョマエに研ぐクセに)
しまいにプライベートで自身が操縦するセスナ機を墜落させちゃう不器用っぷりにコレまた乾杯!
・毎度最高な強力わかもとと【コルフ月品(ゴルフ用品)】の電子看板。
コレ観る度、「ああ、今自分は、ブレードランナーの世界に浸ってるんだなー」と、感じています。
・終盤のルドガーハウアー神っぷり!
裸でハトを抱きながら語るアドリブの台詞が深過ぎる!
「記憶も時と共に消えるのだ。雨の中の涙のようにな。俺も死ぬ時が来た。」
初鑑賞した当時小学校3年生時のワタシに強烈なインパクトを残した、儚いレプリカントの台詞…涙でまたまた乾杯ダヨ!

ワタシには、この作品に悪い評価はできません!
三郎丸

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