いなせなマホ

THE FIRST SLAM DUNKのいなせなマホのレビュー・感想・評価

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)
3.6
レビューno.105:

なんだろう、この違和感。なんか3DCGアニメーションがストレスでしかないんだよね。こういうアニメーションにする必要性ってあるのだろうか??

俺はスラムダンクはアニメ世代ではなく、ジャンプで直接読んでいた世代だからなのか、なにやら違和感しかなかった。今、俺はアニメを全然観てないわけでない。「スパイファミリー」も観るし、ガンダム「水星の魔女」も観ている。ここにはアニメーションの違和感はなかった。「エヴァンゲリオン」や「閃光のハサウェイ」でも感じなかった。でも、このスラムダンクではやたらと違和感を持ってしまった。無理して3DCGにする必要性が俺には全く分からなかった。

スラムダンクには登場人物一人、一人の背景をしっかりと描き、それゆえに感情移入して読むことができた。でも今回の描かれ方は、それもなんだかなーって気持ちになってしまった。

俺が最後にスラムダンクを読んだのは、今でも忘れない、2008年11月4日、ニューヨークのブックオフだった。

その日はアメリカ史上初の黒人大統領が誕生するかの運命の日で、俺はタイムズスクウェアでその瞬間を体感しよう待っていた。そしてその時間まで結構余裕があったので、スラムダンクを1巻から読み始め、最後まで一気に読んだ。立ち読みしながらグスングスン泣いていた俺はアメリカ人からしたらキモい存在だっただろう。

でも、そこでスラムダンクを読んだ後に、セブンマイルズブリッジをコンバーチブルで疾走した時は、矢沢君がアメリカの空気を吸うだけで高く飛べる気になる気持ちを俺もすごく痛感した。そしてその後、現実の厳しさも学んだ。

だから、スラムダンクは嫌いではない。というか、好きだ。でもこの作品は好きになれない。この作品は何を目的に作ったのだろうか?
この作品が高評価なのは俺には納得いかない。

それは、今、俺は尾崎豊を聴いても青臭く感じて聞き続けることが出来ないのと同じで、こういう青春時代の熱い想いを感じ取れなくなった、つまらないおっさんになったからなのかもしれない。それはそれで悲しいが、現実を受け止めよう。
いなせなマホ

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