たなしょ

Untold: パレスの騒乱のたなしょのレビュー・感想・評価

Untold: パレスの騒乱(2021年製作の映画)
3.8
この映画はアメリカのバスケットボールリーグNBAで2004年に実際に起きたファンと選手との間で起きた乱闘事件「パレスの騒乱」についてのドキュメンタリー映画。

この試合はインディアナ・ペイサーズ対デトロイト・ピストンズでありペイサーズが有利だった。ペイサーズのディフェンスの要、アーテストさんが相手選手を押してシュートを妨害したとして選手とケンカになった。通常であればケンカだけで終わるのだがこの時はそうではなかった。

アーテストさんがテーブルの上に寝っ転がっているところを相手のファンが投げた飲み物が命中。これに苛立ち彼は客席の方に詰め寄り乱闘へと化した。
この時の映像はとても凄絶で生々しく誰も止められないような状態であることが分かる。

この時の心境をペイサーズの選手本人達やチーム関係者、相手のファンの方などが語っている。

この作品を見て100%選手が悪いとは到底思わない。確かにファンの行き過ぎた行動により客席の方へ行った選手も悪いのだが普通であればファンであるならそのような行動を起こさないはず。混乱に乗じてコートへ入り選手に対抗しようとするファンを選手が殴りかかるシーンがあるのだがやはり異常。何故コートへ入らなければならないのか。
酔っていたことや選手への感情移入が過ぎて犯してしまったことだと思うがやはりやりすぎな気がする。防衛本能が働き殴りかかってしまうのは致し方ないような気が。

選手の引退シーンや事件のその後の出来事などやるせないものを感じました。

現在はこのような事件は起きていないようだが選手に対してのリスペクトをファンやサポーターは忘れてはいけないことを痛感させられる作品でした。
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