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観察者のkuuのレビュー・感想・評価

観察者(2021年製作の映画)
3.5
『観察者』
原題 The Voyeurs.
製作年 2021年。上映時間 116分。

お向かいのセレブカップルの不安定な関係を目撃したラブラブ?カップル、匿名で彼らの人生に介入しようとしたとき、彼らは知らず知らずのうちに、災いをもたらす出来事の連鎖を始動させてしまうエロティックサスペンス。

※今作品の前半は惹き付けるモノは余りなかったけど、野郎目線では後半は、たわわな実果を得ることができるとは思います。

ある若いカップル (シドニー・スウィーニーと ジャスティス・スミス) が、 通りの向かいの住 人 (ベン・ハーディとナターシャ・リュー・ボルディッゾ) の性生活に興味を持ち始める。
そんな中、その住人が浮気していることを知って しまう。
それをきっかけに無邪気な好奇心が ゆがんだ執着心へと変わっていく。
誘惑と欲望から彼らは面倒なことに巻き込まれていく。
それが恐ろしい結末へとつながる。

我々には、プライバシーがほとんど意味をなさなくなった時代に生きてる。
スマホやPCを通じて我々を監視し、我々の動きを追跡して神のみぞ知る人物に中継するアプリや、我々がうっかり許可した人物にデータを売る企業、さらには、知らない人々の私生活を盗み見して彼らが参加している娯楽を楽しむリアリティ番組がなければ、すべてが安全に感じられた時代はとうに過ぎ去ってしまったと云える。
せやし、マイケル・モーヘン監督のダークなエロティック・スリラーの中心的な主人公である二人が、自分たちがやっていることを自覚していることには、少なくとも理解の余地はあるけど、主要キャラたちを同情するのはむりかな。
大人向けの奔放な作品として観るなら好感が持てるのやろけど、石頭の小生としてはイライラするとこが多かったかな。
ただ、それが製作陣の意図するとこならばまんまと術に嵌まってしまってるんやろけど。
煮え切らない、むしろ魅力に欠ける2人の主人公を紹介し、彼らが非倫理的な行動を始めるまで、多くの視聴者を引きつけることができないと思う。
ただ、後半はたわわに実った果実のお目見え後は幾分が持ち直し、捻りにひねりを加えて善くはなっていってたかな。
キャラの性格は善くはならずむしろ悪くなるけど。
主役のスウィーニーは暗い秘密を抱えた女子を演じ、弱々しさを見せ、ベン・ハーディ(BBCのソープオペラ『イーストエンダーズ』で3年にわたってピーター・ビールを演じていた)演じる写真家セブは支配的な第三者を演じ、強い存在感を示してました。
今作品のテンポは、前半の大部分においてテンポがかなり悪いかな。
芸術的なレンズで人生をリアルに描いてはいるけど、現実の人生と同じように、この特別な焦点は少し退屈しました。
リアルな会話、イントロはほとんど刺激にならず、もうちと楽しい会話やエンターテイメント性がないと面白い映画オープニングとは云えないかな。
ドラマが始まると、ダーク・コメディや、ソープ・オペラや現代の医療ドラマが得意とする悪癖が好きな人でないと、あまり動きがないため、退屈してしまうかもしれません。
プロットホールとロジックギャップも見受けられ、このジャンルのファンならが論理の欠落も目を瞑れるかもしれないレベルやけど、個人的には作中、片方のカップルは気づいているようだが、他のカップルは気づいていないという事実は、論理的なレイアウトは無視するには少し無理がある。
他のいくつかの要素と並んで、誰かが投げかけられる議論の1つに過ぎない。
このような瞬間は積み重なるもので、映画の芸術性に没頭できるかどうかが、許容範囲を決めるかな。
他にも、あるキャラの無知さ、ある情報を共有した時のリアクションの物足りなさ、状況への対処の仕方など、論理的なギャップはほんの一例かな。
ただ、キャラの関わりも4人のキャストの相性は良いが、悲しいかな、土台のならしかたからして、もう少しお互いの人生を統合し、関わってほしかったと思います。
今作品は、深い意味や関係を示唆する方向へ視聴者を導こうとし始めるけど、映画のセクシーな側面に焦点を当てるために、それらはちょっと霧散してしまう。
映画の "肉 "に到達するまでの時間、そして個人的に好きなジリジリとしたエンディングに到達するまでの時間を考えると、この4人の間でもっと統合が進めば、魅力的な作品になったかもしれない。
また、二次、三次的なキャラも無駄が多く、人生の他の側面を巻き込むために余談をしなければならないことを考えると、本当に必要なかったと思う。
また、性的なシーンに対する耐性は人によって異なるだろうし、今作品のこの部分がストーリーのために多面的に機能していることは認める。
しかし、彼らが行ったような性質、方法、細部まで見たいというわけではないかな。
観たいならAVでも借りてモロのを観る。
今作品は、性交の行為やそれに付随するいくつかの試みを隠すことにほとんど躊躇していない。
あまりに獣じみたものや代替的なロールプレイはないものの、個人的には見ることと演じることを同時に行うことのぎこちなさを見るのは楽しくはない。 
実際、ちょっとグロいし(最後の方)、気まずいし、それが何度も起こるところを見るとお子さんと観るのは気まずい作品といえる。
この種のものは、私(わたくし)が楽しむという点ではほとんどプラスにならないので、彼らが選んで持ってきた過剰さだけで嫌いになったかな。
今作品は、もう少しオリジナルで、スパイスの効いた作品であり、世界が見直すべき重要な概念に取り組んだ映像化作品だとは思う。
ドラマは、疲れる番組の脚本に比べると、演技やコントロールがずっと優れている。
しかし、その芸術性の高さが最大の欠点でもあり、ドラマのエンターテイメント性を奪っているのも事実かな。
また、サスペンスと銘打った割には、現実の人間関係に焦点を当てた内容で、テンポが悪く、入り込むのに時間がかかる。
プロットのギャップは重く、それ以上にストーリーハンターの中には簡単にバラしてしまうようなロジックのサスペンスもある。
しかし、その分、最後まで見届ける必要があり、エロス描写が多い本作では難しいかもしれない。しかし、もっと栄養が欲しい、もっと夢中になりたいという人は、この映画から離れた方がいいかな。

余談ながら今作品は、ビリー・アイドルの1983年の名曲『Eyes Without a Face』の新バージョンが冒頭とエンドクレジットで流れるなどわるくはなかった。
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