へたれ

ベルファストのへたれのレビュー・感想・評価

ベルファスト(2021年製作の映画)
3.0
良かったとこ1 ジュディ•デンチとキアラン・ハインズの掛け合い
この町で長年暮らしてきた感を醸し出さないといけないこの映画で、この二人の爺さん婆さんの掛け合いは、本当に時間を共にしてきたような雰囲気を出していたのが良かった。部屋でこの二人がダンスを踊るシーンが、この映画で一番の見どころ。

良かったとこ2 誠実さが伝わる
ケネス・ブラナーの真面目さが伝わるラストシーンのクレジット。半自伝的作品ではよくあるメッセージながら、わざわざ3通りの人々に捧げるあたりに誠実さがあった。

ダメだったとこ1 全般的に薄味
子供の目から見た北アイルランド問題というように視野が狭まいので、問題の大きさが全く伝わらない。ちょくちょく映画やTV番組との関わりが出てくるけど、いずれも当時の文化を紹介する程度の扱いで、愛着は感じられない。ベルファストという町への愛情を表現するシーンも乏しいので、ケネス・ブラナーが抱いてるはずの故郷への郷愁が観客には伝わりにくい。そのわりには観念的で含蓄があるセリフがちょくちょく挟み込まれるので、「良いことを言ってやった感」だけが目立つ。

ダメだったとこ2 白黒が生かされていない
要はケネス・ブラナー版「ROMA」のような作品だけど、「ROMA」と違って白黒であるメリットがほとんど生かされていなかった。
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