素晴らしい映画でした。北アイルランドの、半世紀前に紛争に巻き込まれていた街、ベルファストが舞台の話だけど、いまこの地球に住んでる人はみんな観た方がいいと思ったくらい、優しくていろんな想いが詰まった映画でした。
私ももう生まれた場所をだいぶ前に離れて、人生の三分のニは別の場所に住んでます。でも帰れば親戚も同級生も近所の人もそこにいて、私の小さい頃を知ってたり、私もその人の家の事情を知ってたりします。
それは今にして思えば幸せなことだったんだなとやっぱり思う。日本には宗教的な紛争も対立もあまりないけど、そういったもの関係なくみんながフェアに思いやり、助け合うということの大切さはわかる。そういう社会があるところで育つことの意味を今は本当にもっと真剣に考えた方がいいんじゃないかと思ったりします。
何度もアイルランドの話を観てる割には紛争のことをちゃんと理解してなくて反省。けどやっぱり宗教による紛争は根深過ぎてどうしていいのかわかりません。それでも「そんなことじゃない、人と人がわかりあうのに必要なのは何だかんだでやっぱり愛なんだよ」と、その場の当事者が言ってくれるとホッとした気持ちになります。
そういう映画が観れるのって幸せだなと、この作品を観て思いました。セリフが何気に深いです。モノクロとカラーの対比やカメラワーク、キャスティング、衣装やセット、それらもかなり良かったです。必見だと思います。
