じゅ

アルピニストのじゅのネタバレレビュー・内容・結末

アルピニスト(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

太く短くってこれか、ってかんじ。

マーク・アンドレ・ルクレール、単独で軽装に下見なしで登るんだと。ほぼ垂直で凹凸も少ない岩壁だろうと叩けば割れる氷瀑だろうとするすると。野生児すぎる。めっちゃひやひやしたけどめっちゃ綺麗だった。
スコーミッシュでブレットと登ってたところとか、壁すぎる。『SPIRITS OF THE AIR』かよ。

「達成したこと自体が人生を変えるわけじゃない。そこに到達するまでの旅が心に残る。」だってさ。その道を極めた者はさらっと凄そうなこと言ってのけるもんだな。
前半部分には名声に興味がないと評された人柄が、後半部分には初見ルートでの"冒険"を大切にした人柄が表れてる気がする。実在した人の人物像を会ったこともない俺が勝手に創り上げるのも失礼な話だけど。

撮影が付いてきたら単独じゃなくなるみたいなこと言ってたのめっちゃ好き。なんかスッと心に入ってきてめちゃめちゃ共感したし、何より一流の拘りはかっけえんだよな。

見たかんじ、何故登るのかとか、そんな問いかけがどうでもよくなるような人だった。そういうふうにできてる、っていう以上のことはないように思える。
父親からもらった本で山というものを見てしまってからアルピニストに"なっていった"というより、生まれながら彼に備わってたアルピニストが"アクティベートされた"というかんじにすら思えてしまう。


メンデンホールにマーク・アンドレと共に行ったライアン・ジョンソンって人もあの雪崩に呑まれたわけか。お二方とも御冥福を。2人の足跡は途切れたけど、それでも残された者達から見て相当遠くまで続いてることと思う。
じゅ

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