とりん

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのとりんのレビュー・感想・評価

4.1
2023年38本目(映画館14本目)

日本初の世界でも大ヒットを記録している人気ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」の初のフルCGアニメ映画化。任天堂とイルミネーションのタッグを組み、怪盗グルーシリーズを送り出してきたプロデューサーのクリス・メレダンドリとマリオの生みの親でもある任天堂の宮本茂が製作に関わるなど盤石の布陣で製作された。とはいえどうしてもこの手はあまり期待値上げすぎてもだし、残念感しかない作品になってしまいがちなので、劇場スルーかなと思っていたが、先に公開された海外では評判も高く、大ヒットを記録。
できれば他の作品も観たかったが時間の都合も合わなかったため、本作を鑑賞したけど、間違いないなかった。まさにエンタメに振り切ったエンタメの塊のような作品。
昨今の映画作品はアニメだろうと実写だろうと、エンタメの中にもメッセージ性が強かったり、求めたりもあるけれど、本作にはそれは一切ない。それを上回るほどの爽快感溢れる内容である。

マリオがルイージを助ける兄弟愛なんてまぁ設定の一部くらいにしかなくて、笑いありアクションありの目白押し。マリオとピーチの恋模様なんかも一切なし。子どもから大人まで何も考えずに気楽に楽しめる最高の娯楽ムービー。もちろんマリオを知らなくても十分楽しめる内容だし、マリオシリーズを遊んだことがあればあるほど何倍にも楽しめる要素が散りばめられていて、ファンにはたまらないだろう。マリオシリーズをプレイしていたのはGC時代くらいまでで、近年の作品はプレイしていないけど、それでも十分すぎるほどあれもこれも詰まっていて、興奮してしまった。ステージギミックやアイテムなんかもこんなふうに盛り込んでくるんだってくらいに上手く当てはめられていた。

登場キャラクターはマリオ、ルイージ、ピーチ、ドンキーコング、キノピオ、クッパといったゲームでもメインどころのキャラクターが中心だけども、クランキーやカメックなんかも割とメインに近い位置に出てきて、驚きの嬉しさあった。その反面ヨッシー、ディディーといった単独作品もある個人的には好きなキャラクターたちは一瞬すぎるくらいの出番しかなかったのは寂しかった。敵キャラもほぼノコノコ系でクリボーなんかは脇役に近かったな。

今回字幕版を観たが、声優はクリス・プラット、アニャ・テイラー=ジョイ、ジャック・ブラック、セス・ローゲンとかなり豪華な面々。違和感も全然なく、特にクッパ役のジャックとドンキー役のセスはキャラ立ちも含めツボだったなぁ。クッパの歌とかもうやばかった。

単純なエンタメ的部分もそうだけど、とにかくグラフィックと音楽がとてつもなかった。最近のマリオのゲームのグラフィックもかなり上がっているけど、映像化作品となるとこんなにも滑らかに隅々まで綺麗に映し出してくるのか。
曲はゲーム内に使われてきた愛される楽曲たちが豪華にアレンジされ起用されているのも素晴らしい。個人的には「ドンキーコング64」で流れる「D.K.Rap」がスクリーンで聴けたのは嬉しかった。そしてゲームミュージックだけでなく、Boneie Tylerの「Holding Out for a Hero」を始め、Beastie Boys、布袋寅泰、a-Haなんかも流れる。それも変な感じではなく、これまた上手くハマってたなぁ。

大ヒットしたのも頷けるし、これは続編期待しちゃうなぁ。いやここまでヒットしたらするよね。エンドロール後にはあのキャラで締め括られたし、次があるなら活躍してくれるかな。
日本語吹替は宮野真守がマリオやってるし、吹替製作陣がかなり頑張ってセリフいじってまで吹替やったみたいだから、配信・レンタルされたら吹き替えで観ようかな。
とりん

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