吹替版を鑑賞。かつて実写版マリオを観た際の自分に見せてあげたい。コレナンデス、これが見たかった。マリオ映画の王道であり本道。奇をてらううことのない正真正銘のマリオムービー。マリオ映画としての評価そのものは【5.0/5.0】。
だがしかし、今の自分では4.0の壁を超えなかった。楽しいのだがそこまで手放しに楽しめなかった。なぜだろう。かつてほどの感受性がないということか、童心に帰りきれなかったということか、刺激に慣れ過ぎてしまったということか。実は一周回ってあの猥雑で混沌とした実写版マリオの方が好みなのではないかと錯覚してしまうほどである。本当はしりあがり寿先生が描かれた伝説のマンガ(エッセイ?)である『誰も書かなかったMARIO 』のような粗くて生々しい描写のほうが性に合っているのかもしれない。その意味で本作は整いすぎていたとはいえそうである。品よくキュートな仕上がりとでも言いましょうか。
もっとも全年齢に推せる秀作であることに違いはなく、ひとりのマリオ好きとしては本作を鑑賞できた喜びに疑いはない。本作が世に出てくれて本当に嬉しい。制作者・製作者の皆様にただ感謝。