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ゴッドファーザーPART IIIのmfgのネタバレレビュー・内容・結末

ゴッドファーザーPART III(1990年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます


宗教的儀式を重んじ、それが信仰心厚き人々によって荘厳に執り行われている様子はとても美しいし、人間はかくあるべきであると思う(…けどそれが自身の利益のための偽りのものであったならば…→神は全てをお見通しであるということを知っておくべき)/ミイラ取りがミイラにならぬよう注意せねばならない(腐った世の中から家族を守るためだったのに、妻からは忌み恐れられ 自身は恐ろしい男に…)/擦り寄ってくる人々が皆 自分を利用して甘い汁を吸おうとしたり 自分の権威を盾に着ようとしたりすることが目的であることを重々承知していながらも それを上手くこなしていかなければならない晩年が辛い…因果応報ではあるけど 刈り取るカルマの収穫量が尋常じゃない…(→どんなに金や名誉や地位があっても、真なる愛なく 猜疑心や悪なる策略等が満ちた世界にいることは虚しいものであるということ…、“足を洗えたと思ったらまた逆戻りだ”→カルマの刈り取りはそれほど簡単なものじゃないってこと…)/“ゲス野郎は嘘をつく”byシェイクスピア/親戚のクソゲス野郎なタフガイの尻拭いもまた一苦労…(だけどその熱血漢な忠誠心はやんちゃ過ぎるとこはあるけどなかなか…)/ストッキング覆面/“友情と金は水と油だ”/“現代の社会では贖罪の力より金の力が大きいわけだ”…そんな世界は地獄でしかない…/悪事に身を染め 娘をも騙し…“お前のためなら地獄も怖くない”と言うが地獄に堕ちてから生前の自らの行いを悔いる羽目になるかも…/“もう欲はない”とか言う年寄りほど我利我利亡者の老害でしかない邪魔物…?/“敵を憎むな 判断が鈍る”/生老病死の苦しみの中で得られる悟りもある/病床に臥してなお 兄の性質(血の気が多すぎて理性を失ったことや女にモテたこと)を受け継ぐ甥っ子を気にかける老婆心や、“的はいつも愛する者を狙ってくる”(←悪魔的手法)と忠告する姿が痛々しくて見てて辛い…/“政治と犯罪 コインの裏表さ”…悪徳司教の陰謀とか それを糺そうとするマフィアとか…正義とは…?/親に反対されるほどに燃え上がってしまう若い娘っ子の愚かさ…/糖尿病の発作が出るほど緊張してまで 枢機卿に大司教の不正を訴え出るなんて立派(→“心が苦しむと肉体も苦痛で叫ぶのだよ”…=心と体のほんとうの関係 色心不ニ)/枢機卿からの懺悔の勧めに だいぶご無沙汰であるために枢機卿の時間を取ることになると考慮するも、“魂を救う時間はあるよ”との枢機卿の聖職者として美しい心に感動…/→“私の罪は神の救いを超えてます”との迷える子羊に、“(気持ちを抑えられなくて懺悔する)その瞬間が大事だ”と反省する姿勢の重要性を諭す枢機卿が素晴らしい…/“悔い改めもせず懺悔してどんな意味が?”との迷える子羊に、“懺悔してどんな損が?”と問い返す枢機卿…さすが…(→悪人を懺悔に導く宗教的人間の醸し出す雰囲気とか人間力とか包容力とか…)/→懺悔(妻を裏切ったこと/自分を偽ったこと/人を殺したこと/人を殺させたこと/人に命じて自分に背いた兄を殺させたこと)→“神は救ってくださるが君はそれを信じないし改めないだろう”との枢機卿(…神への信仰心と 反省しそれを悔い改めることが天国への道ということ…?でも自身の罪を神に仕える者に涙ながらに告白するあたり(“懺悔したよ 神に罪の告白を”と語り、“あなたらしくないわ 見知らぬ他人に告白を?”との批判的な意見にも““他人”ではない 優れた人だ”と真の聖職者を見極めることができ かつ正当に評価できるところも)はまだ救いがあるのでは…?)/いくら栄華を築いたような人生に見えても、そこに真なる価値がなければ晩年になってから後悔の念に苛まれるということ…?(“上にはきれいな世界がある”と“這い上がりの人生”を送ってきたが 上に登れば登るほど汚れていることに気づいてしまう、国の殺し合いの歴史や金や名誉や身内のためや権力者の食いものにならないため etc…に犯した数々の罪に自身が苦しむことになる)/自分が兄を殺したことを知らない身内からの 自分を励まし支える愛(兄は神に召されたと信じ、過去の事だとしてこれからも力になると抱きしめてくれる)が深ければ深いほど罪悪感も強まる…/ヤギのモノマネのダサさと情けなさと間抜けさ…(上手いけど笑…かつ伏線…)/“最後の切り札”に依頼するやり口の悪玉感…(“靴の中に小石が入ってな それを取り除いてほしいのだ”→ニヤリとそれを引き受ける“最後の切り札”もまた悪玉感…→赤ワインにパンと本場のシチリアでしか味わえないオリーブ・オイルで“健康に!”“そして死に!”と乾杯…悪玉感の極み…)/郷愁や哀愁漂う一時の儚くも美しいデート(互いに愛し合いながらも憎しみあった2人がようやく真に愛し合えるかと思いきや 受難…)/火のないところに(黒い噂という名の)煙は立たないし、火の元は速やかに消火されるべき(悪事を成した者は即刻排除されるべき)/
この世的欲望に溺れた悪徳神父は絶対地獄行き/自分で自分を呪ってはならないし、そうならないように自分の良心に基づいて清く正しく生きることが大事/マフィアの世界も黒いけど、政界や教会内も真っ黒…(→真に善意や信仰心のある政界人や教会関係者に失礼極まりないため腹切って詫びてほしいくらい…怒)/“正直である事は危険だ”なんて言わなきゃならない世界なんて哀しすぎる(※愚かしくも全てを信じ切るのではなく 智慧をもって善悪判断をするという意味においてはそれもまた大事だけど…)…正直である事が徳とされるような真に美しい世界になってほしいな…/

幸不幸 愛憎 計略 etc…人々の様々な思惑がカオス(夢を叶えた者/失恋した者/再び愛が芽生えそうな者殺害を目論む者/新しく得た立場に意気奮闘する者/etc…)なオペラ/
“信頼は泥のようにもろい”…金や地位や名誉等の欲望に支配された世界では確かにそうかも…(真の信仰心に生きる者にとっては、信頼は強くて深くて厚くて決して揺らがないものなのに…→この世的欲望に生きる者の虚しさ…)/
ちょっと耳貸して→“えせ権力は身を滅ぼす!”→グサリ …愚か者の死に相応しい最期なのかも…/
あと一歩のところで死を逃れられたのは信仰心の深さによる神からの赦しなのか…娘を失う苦しみを与えられたことで深い反省を促す贖罪の誓いへの応えなのか…(どちらにしても神の慈悲…?)/(→所詮人間知によっては神の御心は分からないものなので、辛くて苦しくて悲しくてどうしようもないことも多いけれど 与えられた自分の人生の問題集を一つ一つ丁寧にこなしていくしかないし、そのなかで自身の思いや行いを反省しつつ 神への感謝を深めることが大切な魂修行なのかなと思う…かつ この世とあの世を貫く因果応報の法則や原因・結果の法則についても心得ておかねばならない)/最期の平和的とも言えるような死に初代を彷彿とさせるものがあるのでは…?
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