2023年公開(日本2024年公開)の伝記映画。クリストファー・ノーラン監督作品。
1954年ソ連のスパイ容疑をかけられた『原爆の父』ことオッペンハイマーは、聴聞会で彼のこれまでの行動に関して追求を受けていた。
3時間の超大作。人の半生を語るにはやはりこれだけの時間は必要なのだと感じると共に、人物が人物だけに心身ともに体力をつかった作品でした。
映画自体はわかりやすいメッセージ的なものはなく、オッペンハイマーの半生を映像化しているものだと思います。淡々としている面もありつつ、深い闇も感じさせるような絶妙な演出でした。
それ故に、この映画で何を感じるのかは視聴者に委ねられているのかもしれません。
少なくても、アメリカ人と被爆国として育った我々日本人とでは、感じるものが違ったのではないでしょうか。
核実験「トリニティ」で燃え上がる炎は一見美しも見えますが、あの中に沢山の人がいたらと考えると地獄の炎にしかみえません。
歓喜に湧き上がるプロジェクトの参加者達の光景は、怒りに湧く一方、社会人としてプロジェクトを成功させた気持ちがわからなくもないなぁとなんともいえない気持ちになりました。
もしも原爆が落ちてなかったら、もしも原爆が存在しなかったら、そんなことを考えさせられた作品ですが冒頭のとおり感じることは人それぞれでと思います。