長谷川真也

男はつらいよ 寅次郎紅の花の長谷川真也のレビュー・感想・評価

4.9
1995年日本公開のヒューマンコメディ、寅さんシリーズ48作目。マドンナは浅丘ルリ子。満男編7作目。渥美清の遺作でありシリーズの実質最終作。旅先は鹿児島県。

泉が満男の元へ訪ねてきたのだがそれは結婚の報告だった。ショックを受けた満男は、いてもたってもいられず結婚式が行われる岡山県に行き、式を台無しにしてしまう。
そのまま、フェリーに乗ってたどり着いたのは奄美大島、満男の様子がただ事じゃないと悟った通りすがりの女性が親切で家に住むように案内するとなんとそこには寅さんが・・・。そして、この女性は・・・。

映像越しに伝わってくるんですよねぇ、スタッフ、キャスト陣のこれが最後かもしれないという想いが😢
話によると、渥美清さんの癌の進行は進んでおり、出演できるレベルじゃなかったのだとか。
満男が大活躍しますが、やっぱり寅さんの存在感凄いですよね。

今作緊急登板で四回目のマドンナとなった浅丘ルリ子演じるリリー、本当にこの人が最後の花道を飾ってくれてよかったです。
リリーと寅さんを結婚させて欲しいと浅丘ルリ子さんが懇願したそうですが、あの二人らしい結末だったと思います😭

それと対象的に満男と泉の恋がまぶかった〜!それを見守る寅さんとリリーがまた素敵でした。そうです、恋愛なんて周りから見たら無様なものなんですよね。

とらやに帰ってきた寅さんを街の皆んなが温かく迎えるシーンも今までなかったので、ここでもラストらしい感謝の想いを感じました。
そしてさくらが寅さんにリリーと一緒にいくように説得する場面は、寅さんとさくらの最後のシーンでしたね。倍賞千恵子さんもこれが最後のシーンかもってそんな気持ちがあったんじゃないかって、それだけなにか訴えかけるものがあったと思いました😭

高齢の方と接する機会がたまにあったのですが、話を聞くと寅さんシリーズは本当に国民に愛されていたのだなと思います。
多様化する昨今、もうこんな風に国民的に愛されるシリーズは出てこないのだろうなぁと思う今日この頃であります。