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BLUE GIANTのkuuのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
3.9
『BLUE GIANT』
製作年 2023年上映時間 120分
映倫区分 G
2013年から小学館『ビッグコミック』にて連載開始した石塚真一の人気ジャズ漫画『BLUE GIANT』をアニメ映画化。
主人公・宮本大の声を人気俳優の山田裕貴が担当し、沢辺雪祈を間宮祥太朗、玉田俊二を岡山天音が演じる。
立川譲が監督、原作の担当編集者でストーリーディレクターも務めるNUMBER 8が脚本を手がけ、NUTがアニメーション制作を担当。  
世界的ピアニストの上原ひろみが音楽を手がけ、劇中曲の演奏も担当した。

仙台に暮らす高校生・宮本大はジャズに魅了され、毎日ひとり河原でテナーサックスを吹き続けてきた。
卒業と同時に上京した彼は、高校の同級生・玉田俊二のアパートに転がり込む。
ある日、ライブハウスで同世代の凄腕ピアニスト・沢辺雪祈と出会った大は彼をバンドに誘い、大に感化されてドラムを始めた玉田も加わり3人組バンド『JASS』を結成。
楽譜も読めずただひたすらに全力で吹いてきた大と、幼い頃からジャズに全てを捧げてきた雪祈、そして初心者の玉田は、日本最高のジャズクラブに出演して日本のジャズシーンを変えることを目標に、必死に活動を続けていく。

今作品は、意欲的な若いミュージシャンに捧げるジャジーなオマージュであり、見事な映像で音楽の世界を垣間見せてくれてました。
友情ちゅう固い絆で結ばれ、親しみやすいキャラが登場する『BLUE GIANT』は、音楽を主役に据えながら、興味深いストーリーを得るために多くのポイントを押さえている。
『BLUE GIANT』は石塚真一の同名漫画を原作としており、サックス奏者志望の宮本大が地球上で最も偉大なジャズミュージシャンの一人になることを目指す物語です。
彼はピアニストの沢辺雪祈、新米ドラマーの玉田俊二と組んでジャズ・トリオ、通称JASSを結成する。
しかし、ジャズの世界で道を切り開くのは見た目以上に難しいことにすぐに気づく。
立川譲が監督した今作品は、3人の友人の物語をしっかりと地に足をつけたものにしながらも、本物のジャズ音楽とそれに見合ったワイルドな映像で漫画に命を吹き込んでいる。
ストーリーは、特にアニメファンにはおなじみのもので、最高であることだけを望む主人公に慣れている。
まぁ、なんちゅうても今作品が最も光っているのは、登場人物たちであり、彼らの目標や葛藤に非常に親近感を覚えたかな。
大と雪祈は初対面でぎこちないながらも良い相性を見せ、一方、俊二は経験不足から雪祈との関係が揺れ動く。
この2人の友情は映画の中で開花し、ストーリーの骨格となる。
映画では時折、大の成功につながった出来事を過去形で語るよな、登場人物へのドキュメンタリー風のインタビューが点在する。
全体として、今作品は、ジャズが好きな人はもちろん、音楽を演奏したことのある人なら、間違いなく登場人物に共感できる映画だろうし、ジャズの入門編としても最適で、演奏経験のない人でも十分に楽しめるんじゃないかな。
今作品を観るには、高音質のサウンドシステムを備えた劇場で観た方がエエんやろなぁと。
音楽と密接に結びついた映画であることから予想されるように、JASSが演奏する音楽は『BLUE GIANT』で大きな役割を担っている。
監督はこの映画を『劇場の中のコンサート』と表現してたが、それはまさに彼らの演奏を的確に表現している。
彼らが演奏するジャズ音楽は映画のオリジナルであり、3人の登場人物の技巧を見せるようにデザインされている。
音楽は常にハードで、光と色彩を面白おかしく弄びながら、映像がどこかシュールなものになるにつれ、観る者に強烈な体験を提供する。
ジャズの経験があまりない人にとっても、この映画は忘れられない体験になるに違いない。
kuu

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