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パンデミック・エクスプレス 感染無限列車のkuuのレビュー・感想・評価

2.7
『パンデミック・エクスプレス 感染無限列車』
原題 狂鼠列車 Rat Disaster
製作年 2021年。上映時間 92分。
列車の天井裏や壁の隙間から、無数のネズミがあふれ出す! 
走行中の列車の中で、伝染病の病原菌を持ったネズミが大量発生、乗客たちを襲撃するアニマルパニック。
兎に角、キモい。
車両を床から天井まで埋め尽くす勢いのネズミの大群がすさまじい中国映画のアニマルパニック。
ネズミ嫌いな人(小生もかなり苦手)は卒倒しかねないビジュアルショックのため、冒頭に『本作は不快な映像を含みます』と注意を促すメッセージが表示されるほど。
中盤では列車を離れ、町で伝染病の薬を求める主人公たちの探索が描かれるが、こちらも道路が見えないほどのネズミの群れ。意思を持っているように襲い来るこれらネズミの大群が最大の見どころ。
監督はリメイク版『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』のリン・ツェンハオ。

衛生署職員の蘇(スー)は、家族を連れて北衛府駅発の列車に乗り込んだ。
そこで彼は、医学院に通うはずの長女・玲玲(リンリン)に出くわす。
彼は娘を問い詰めるが、父に反発する玲玲は取り合わない。そんな中、列車の通風口や貨物室から無数のネズミが出現。
しかも、ネズミは伝染病の病原菌を持っていた。乗客がパニックに陥る中、ネズミにかまれた蘇の幼い息子も発症、蘇は近くの駅の病院に特効薬があることを思い出すが。。。

ゾンビの代わりにイカれた殺人ネズミが登場する、『新感染 ファイナル・エクスプレス』になり損ねたモドキ映画かな。
吹き替えで観たんやけど、どうも人工的に聞こえた。
これは中国映画とかやとよくあることやけど、なぜそうなるのか。
さらに、残念なことにオーバーな演技が多すぎて余計にリアリティーが削がれる。
また、物語には論理的な穴が多すぎて、数え切れない(なぜネズミがこないにたくさんいるのか、どこから来たのか、なぜ誰も気づかなかったんか、なぜ列車は1940年の姿をしているのか等々)。
CGIも最近の映画としては幼稚やった。
90年代初頭の映画ならわかるんやけど、製作年は2021年。
それでも停止ボタンを一息にタップすることなく90分はあっという間に過ぎてしまった。
だから、クソとまでは思わない。
とはいえ、サスペンスも血も血糊もないし(本当に何もない)、ジョークだって笑えない。
いい舞台設定といいカメラといい、少なくとも"いくつかの"娯楽的側面があるという点を思えばもっと面白い作品になったんやろに残念の映画でした。
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