牛猫

アンビュランスの牛猫のネタバレレビュー・内容・結末

アンビュランス(2022年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

瀕死の警察官を乗せた救急車を銀行強盗が逃走のためにジャックしたことで、街中を巻き込む追走劇へと発展する話。

マイケルベイ監督作といえば、「ザ・ロック」に「アルマゲドン」と、細かいことは置いといてド派手なアクションと男臭いストーリーにとりあえず筋肉というイメージがあったけど、技巧派カメレオン俳優のジェイクギレンホールと掛け合わせてどんな化学反応が生まれるか楽しみにしていたけど、マイケルベイ味が強すぎた。
パトカーを惜しげもなく破壊するカーアクションはド派手でこれぞマイケルベイって感じ。画面の迫力も申し分なく映画館で見るに相応しい映像だった。ドローンを多用した空撮もLAの街並みがたくさん見られてワクワクした。
しかし、メインとなるカーチェイスは似たような展開の連続でダレるし、途中から意味ありげな登場人物がやたら出てくる割には特に最後まで見せ場がないキャラクターもいたりして、ごちゃごちゃしすぎ。
主演のジェイクギレンホールも良いやつなんだか悪いやつなんだか最後まで煮え切らなかった感じ。

ツッコミどころも満載。まず悪名を轟かせる犯罪組織の割には強盗作戦が大胆で雑すぎる。それを追う警察やFBIもヘリコプターでの追跡やITを駆使した救急車内の盗聴など、やってることは大掛かりで凄そうな感じだけど、なんだかんだ逃げ切られてしまうし、逃走経路にスパイクストリップ敷いとけば済む話しなのでは。
極め付けは車内で急遽始まる開腹手術。割とシリアスな感じで描かれていたけど、このシーンは最初から最後までありえなさすぎて笑ってしまった。

当初の想像通り映像に全振りした内容だったけど、ジェイクギレンホールのどっちつかずな役どころが面白かったし、CG全盛の時代に抗うようなマイケルベイの意地を感じた。エンドロールが短かったの地味に嬉しい。
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