Monsieurおむすびさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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人生って、素晴らしい/Viva La Vida(2024年製作の映画)

3.7

#人生って素晴らしい
腎臓病を患う女性リンと悪性脳腫瘍の男性リュトによるボーイ・ミーツ・ガール。
いつ最悪の事態に陥ってもおかしくない切迫した状況の2人が、互いの願いを叶える為に始める契約結婚ミッシ
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

3.9

#フォロウィング
尾行男と泥棒男と1人の女の幾重もの騙しと時系列シャッフル。
70分のうち60分くらいは何を描きたいのかよくわからないうえに、語り手の尾行男の憶測だろうミッシングポイントもある。加え
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リトル・エッラ(2022年製作の映画)

3.9

#リトル・エッラ
友達はいなくて学校でも浮いてるエッラが、唯一大好きなトミー叔父さんを独り占めしたくて、恋人スティーブンとの仲を裂こうと意地悪しちゃう北欧ドラマ。

個性的なキャラクターとポップな世
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ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

3.8

#ブルックリンでオペラを
大人はみんなどこかズレていて、だけど誠実でありたくて、せめて子どもには道を示したい。そして誰もがロマンス・ストーリーが大好き。

レベッカ・ミラーらしいままならない大人たち
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インフィニティ・プール(2023年製作の映画)

3.6

#インフィニティ・プール
自らを罰することもままならない現実から、倒錯と恍惚の世界へ。文明先進国の倫理観なんて天地ごとひっくり返す衝撃と魅惑の退行がハマってキマッてヒドく不愉快(賛辞)

こういう挑
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毒娘(2024年製作の映画)

3.9

#毒娘
幸せに見えて閉鎖的な家庭の闇に、外界との窓から「お邪魔します」とメスならぬ、でかバサミを入れるダークヒロインちーちゃんを媒介としたスクラップ&ビルド。
サイコサスペンスで、シスターフッドで、
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WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)

4.0

#WEEKEND /ウィークエンド

金曜の夜から始まる同性愛者の2日間の邂逅。正反対な2人の会話から滲む人となりと其々の世界との向き合い方。
後ろめたさも皮肉もが彼らの弱さであると同時に優しさや勇気
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

#アイアンクロー
父の教えを信じて、王者になることを宿命づけられた兄弟たちの垂直落下式悲哀劇。
聡いほど失い、無垢なほど蝕まれる、この理不尽を呪いと言わず、なんと呼ぶべきか?

皮肉にも王者になれな
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貴公子(2023年製作の映画)

3.9

#貴公子
主人公を置いてけぼりの血も涙もない危険な相続トラブル。
混血青年、笑顔怖い貴公子、狂御曹司、傲慢JKのドロドロ濃厚キャラの交錯がテンポよくスルリと駆ける118分。
韓国ノワールの巨匠パク・
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.9

#プリシラ
全ての女性が身を投げ出す王の傍ら、誰もが羨む無垢な少女は等身大の女性に。
美術に音楽、緻密にデザインされたカルチャーと繊細な人物造形で描かれる籠の鳥の羽化は、エルヴィスすら糾弾せずに、そ
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ストリートダンサー(2020年製作の映画)

3.7

#ストリートダンサー
歌って踊るインド映画で、ダンスバトルという盲点。
若者たちの踊りと喧嘩が9割を占めるのに、気づけば誰もが自分以外の誰かの為に闘う連帯の鳴動。
親の祖国も見たことがない移民の子た
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.9

#ドッグマン
壮絶な半生は神に見放され、信じれるのは犬のみ、それでも救いを求め、与える為にもがき苦しむ哀しき殉教者の愛と暴力の聖戦。
L・ベッソン起死回生のダークヒーロー像は巡り巡った原点回帰。
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ソウルメイト(2023年製作の映画)

4.0

魂で繋がり同じ輝きを放つが故に、互いの光にのまれそうな彼女たち。だけど離れて、変わって、傷つけあっても消えない痛みの奥の愛。
一生に一度、たったひとり。かけがえのない関係性が儚く美しい。
中国版オリジ
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ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.8

#ゴッドランド
優生思想と利己的な牧師が行くデンマークから統治下アイスランドへの布教は、信仰を持たない者が神話然たる大地で異文化とディスコミュニケーションの果てに狂気にのまれる暗黒寓話。
それを見つ
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パリ・ブレスト 〜夢をかなえたスイーツ〜(2023年製作の映画)

3.3

#パリ・ブレスト
過酷な幼少期を過ごしたヤジットが、スイーツに心休まる瞬間を見出し、やがて努力と機転で世界一のパティシエになるまでの実話ベース。
ネグレクトで依存魔な母親との回想が事あるごとに挿入さ
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.9

#オッペンハイマー
科学者の性と道徳心を信じた二律背反男の正しさと過ちに憑依する映画体験。
トリニティ実験で懸念された世界が焼き尽くされる可能性。理論上〝ほぼ〟ゼロだったそれは、様々な分野の研究が進
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ラブリセット 30日後、離婚します(2023年製作の映画)

4.0

#ラブリセット30日後離婚します
劇的な大恋愛の末に結婚したはずなのに、出自や価値観は正反対で、気づけばいがみ合ってばかりの2人は離婚を決意。と、その矢先、2人とも記憶喪失になっちゃって気持ち的には
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

4.1

#美と殺戮のすべて
オピオイド薬害問題へのアクティビティと写真家ナン・ゴールディンの激動の人生が共鳴するドキュメンタリー。
写真という言葉を交えた彼女の語りから浮かび上がる苛烈は記憶。姉の死、家族と
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.6

#ゴーストバスターズフローズン・サマー
Ivanへ捧げられた本作。原点回帰と呼ぶべきか?舞台をN.Yに戻して「アフターライフ」よりもコメディ強めに。
出だしの活劇から、お上に目をつけられる掴みが懐か
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RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)

4.1

#ラインゴールド
生まれた瞬間から苦難の生、最悪だからこそ語る価値があるラッパー Xatarの流転の遍歴。
目的の純度と手段を選ばないダーティーさはアンバランスだけど、そんな不道徳さが生命力と密に結
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新幹線大爆破(1975年製作の映画)

3.9

#新幹線大爆破
高度経済成長の象徴のような新幹線に、時代に置いて行かれた者たちの大博打。
技術と人の相関に冷ややかな視点を持ちながら、昭和オールスターな俳優陣の渋い演技が魅せてくれる。特に2人の健さ
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

3.8

#コール・ジェーン
マイク・リー作品「ヴェラ・ドレイク」を地でいくアメリカ女性支援団体を基にしたドラマ。
裕福でリベラル、家族にも恵まれる主婦ジョイが、妊娠に起因する心臓病の治療の為に中絶を希望する
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ペナルティループ(2024年製作の映画)

3.7

#ペナルティループ
まだあった、新たなタイムループ。
恋人を殺された恨みを晴そうと、自ら望んだ無限リベンジ。
怒りや怨念の消費期限、殺す側と殺される側の奇妙な連帯感、型にはめてこない面白さと哀しきル
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ナチ刑法175条/刑法175条(1999年製作の映画)

3.7

#ナチ刑法175条
刑法として存在しながらも、ある程度自由を謳歌できた戦前から、ナチス台頭により厳罰化され強制収容所に送られた同性愛者。
半世紀を経て生存している数名の証言が紡ぐ差別と暴力の記憶。
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ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター(1993年製作の映画)

3.8

#ピアノ・レッスン
荒涼の海辺に佇む壮麗なピアノのショットの表象そのままに、世界の最果てから届く希う心の旋律は、背徳を斥けるほどの欲望を哀しく心に響かせる。
口を噤み指先から意思を奏でるエイダと2人
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

#デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション
#デデデデ
突如、現れた非日常に侵食され、それが日常となった女子高生たちの破壊の序章。
未知の侵略者との緊張状態にも関わらず、長閑に過ごしてる人類
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海がきこえる(1993年製作の映画)

3.8

#海がきこえる
ジブリ史上最も優しく漢気のある主人公ではなかろうか。そんな杜崎拓が都会から来た転校生 武藤里伽子に振り回された高校生活を追憶。

親の都合で高知の田舎に引っ越さなければならなかった里
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燃えるドレスを紡いで(2023年製作の映画)

4.2

#燃えるドレスを紡いで
服は何処へ行くのか?
その答えを求めて、世界中からゴミとして服が集まるケニアへ赴く、パリ・オートクチュール公式デザイナーであり、ファッション界の最先端を歩む中里唯馬の軌跡を追
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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

4.0

#青春ジャック止められるか俺たちを2
監督変わって、作風も少し変わったけど面白かった。
名古屋のミニシアター「シネマスコーレ」を創設した若松孝二と映画館に引き寄せられる若者たちの青春群像劇にして井上
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薄氷の告発(2023年製作の映画)

3.7

薄氷の告発
韓国スポーツ界の性暴力とパワハラ、その隠蔽体質に至るまでの根深さ、なにより被害者を好奇に晒すメディアや司法、大衆による二次被害のグロテスクが際立つ。
フィクションではありながらも、モデル
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ブルーイマジン(2024年製作の映画)

3.9

#ブルーイマジン
映画業界の性暴力被害者女性が、失意の底から立ち上がり人生を再生させるドラマ。
自分にも落ち度があったかもしれないから、何事もなかったように忘れて生きていこう。そんな思いから、声をあ
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ビニールハウス(2022年製作の映画)

3.7

#ビニールハウス
世代を超えて引かれ合う不遇の善人たちが織りなす幾何学模様は、負のスパイラルのようにも、解放のカタルシスのようにも写る。
息子と暮らしたいだけの主人公ムンジョンが、不意の事故をきっか
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ファルハ(2021年製作の映画)

3.8

#ファルハ #イスラーム映画祭9
1948年、イスラエル建国前に起きたパレスチナ人の大虐殺「ナクバ」を描いた実話。
主人公ファルハのモデル女性はナクバを生き残り、この事実を伝承、パレスチナ系ヨルダン
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ミニオンの月世界(2024年製作の映画)

3.6

#ミニオンの月世界
「FLY!」と併映の短編アニメ。
怪盗グルー1作目の後日談で、月に飛ばされたベクターとそこにやって来たミニオンたちのドタバタ。
「カールじいさんのデート」でも思ったけど、ヘタな新
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FLY!/フライ!(2023年製作の映画)

3.8

#FLY 吹替え
巣がある池から出たことのないカモの一家が行く南国ジャマイカへの大冒険。シンプルなストーリーとわちゃわちゃっぷりなイルミネーション感は随一。
空を自由に飛び回る鳥たちがメインキャラクタ
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12日の殺人(2022年製作の映画)

3.8

#12日の殺人
フランス版「殺人の追憶」
未解決事件と私生活の泥沼の並走が、男たちのザラついた心を侵蝕する異色犯罪スリラー。
刑事モノではあるが銃撃戦もカーチェイスも犯人との心理戦もなく、作劇ではカ
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