やっちんさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

やっちん

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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

4.0

笑顔のない17歳…

そして人生を達観してしまったような表情。

何と生きづらい彼女達の現代社会なのだろうか。

現在公開中のプロミシングヤングウーマンと並行して観ると非常にこのテーマに対して深く考察
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

3.8

これはドミニカ移民の賛歌とも言うべき作品である。
コロナ禍における閉塞感をラテンの底抜けに明るく華やかなダンスと歌で一時忘れさせてくれるパワーをスクリーンから随所に感じさせてくれた。

それもこれもト
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.8

モノクロームのスクリーンにロバートパディンソンと共に狂気の泥沼に引きずり込まれて行く…
ほぼ正方形のスクリーンサイズがより孤島の灯台の閉塞感を高めている。
正に怪作と呼ぶに相応しいのではないだろうか。
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.2

これは一見善い人と言われる男性に対する復讐の話しである。
男としては居住まいを正したくなる場面の連続ではあった。

ただ纏っている作風がハリウッド風のサスペンスタッチでありラブコメ的要素がありと重たい
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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

4.0

コロナ禍の中で瑞々しくほっこりさせてくれ良い時間を過ごしたと感じさせてくれた作品であった。

時間の捉え方が人は皆平等ではないという
アインシュタイン的発想から仕掛けている本作の作り方は非常に独創的で
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キャラクター(2021年製作の映画)

3.4

菅田将暉主演との事で作品の質はそう悪くないだろうという期待値先入観で鑑賞。

俳優陣は終始高いレベルの演技で作品全体のトーンは保っている。
特にFukaseのサイコパス感溢れる不気味な演技は本作を支え
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逃げた女(2019年製作の映画)

3.9

逃げた女

核心をついた意味深い良い邦題である。

一見本筋が見えにくい作風であるが故に、この邦題が鑑賞後深みを増して静かな余韻にひたらしてくれた。

終始何も起こらず淡々とした会話劇と食事のシーンの
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.3

サー アンソニーホプキンス主演男優賞受賞納得の演技である。
また原作者が初メガホンでこのクオリティとは驚きである!

まずは映画の構成、画期的な表現技法が素晴らしい。
アンソニーと観客が混乱と混沌の深
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SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

3.5

旧社会主義国のチェコ発の生々しい身の毛よだつドキュメンタリー映画。
緊急事態宣言中の僅かに開館している池袋の劇場は完売であった。ある意味注目作である。

チェコという国からの発信という事にまず衝撃とリ
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街の上で(2019年製作の映画)

4.0

ずーっと続く微妙に噛み合わない会話劇。
それがループになり妙に可笑しくたまらない!

若葉竜也の終始とぼけた演技と表情がこの映画の骨格と成している。

渋谷の昼下がりの満場の劇場が温かな笑いに包まれて
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ノマドランド(2020年製作の映画)

3.8

コロナ禍のこの抑圧された同調圧力に苛まれているこの時代背景がノマドと言われる一見自由奔放に生活している人々に共感し賞賛してしまう気運が本作の高評価に繋がっている一因ではないかと見終わった後感じ取ってし>>続きを読む

ミナリ(2020年製作の映画)

3.9

大草原の小さなお家や北の国からを思わず想起させる作品である。
田中邦衛演じる五郎が家族を山師的に巻き込んでいく様は本作の父親とオーバーラップしてしまった。

監督自らの体験から着想された作品という事で
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ビバリウム(2019年製作の映画)

3.5

画一化された社会からの忍び寄る締め付けられるような日常生活と現在のコロナ禍が所々シンクロしたような作品である。

本作はミッドサマーのような終始仄暗い薄ら怖さを醸し出しており何とも言えない空気感で最後
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.1

現代版 東京物語。                 

現代社会におけるヒエラルキーをお嬢様である門脇麦演じる華子がやんわりとした何とも言えない佇まいが本作を柔らかいタッチで品のある口当たりの良い質の
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.6

遅ればせながら本作をようやく鑑賞。
罪の声の土井監督。
ごく普通の若い2人のありふれた恋の話を生々しく表現しており最後までドキドキしながら観る事が出来た。
これも坂元裕二の脚本に追う所は大きいだろう。
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.1

同調圧力にまみれたこの素晴らしき世界。
真っ直ぐな人達にとってはとても生きにくい世の中である。

西川監督の最新作。非常に楽しみにしていた。期待にそぐわない出来栄えであった。
西川監督は社会に取り込ま
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ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.1

さすがスターサンズ配給。
そしてさすが藤井監督!

今までの東映のヤクザ映画とは一線を画する視点を持った作品である。

本作はヤクザ映画というフォーマットを纏った社会の不条理を強烈に訴えている。
排除
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KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

4.0

権力を巡る葛藤や欲望を剥き出しにした史実に基づくストーリーをサスペンスタッチに描かれており気が付いたらスクリーンに引き込まれていた。

この作品が昨年の韓国内で興行収入1位というのは非常に成熟した映画
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聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

3.9

アカデミー国際長編映画賞ノミネートに充分納得するサスペンスフルでヒリヒリする骨太な良作であった!
いわゆる東欧系の陰鬱さはあまり感じられないパンクな感じすらある作品である。

少年院にいる時から神父に
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ザ・プロム(2020年製作の映画)

3.9

コロナ禍でことごとくライブ、エンタメが中止、延期されて行くなか映画館のスクリーンで躍動感溢れるダンスと音楽に本作で触れる事が出来て本当に良かった!

LGBDQに対するメッセージ全面の作品内容でやや食
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新感染半島 ファイナル・ステージ(2020年製作の映画)

3.3

本年一作目。
通常年であれば007辺りが新年のラインナップだったのだろうが…

邦題が時勢に対してどうかと…

前作が緊迫感があり家族愛も感じられるクオリティの高い作品だった強い印象もあり本作を観るこ
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.1

冒頭からラスト近くまで静謐なトーンを纏いながら緊張感あふれる心揺さぶられる作品であった。

前半部分は登場人物がお互いを観察している体で正直睡魔に襲われるような極めて静かに作品は進んでいくが、スクリー
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.0

映画の日に良い映画を観た思いがする。

シンプルながら非常にパワフルであり骨太で内省的な質の高い青春映画である。
このジャンルの青春群像劇的な作品はいくつもあるが、本作はそれらの作品と一線を画すニュー
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アーニャは、きっと来る(2020年製作の映画)

3.4

一昔前のメロドラマのような優しく口当たりが良いナチスを扱った反戦映画ではある。

美しいピレネー山脈を背景にノアシュナップのあどけないながら成長していく過程の少年の表情と上手くマッチしており良かった。
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ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

3.5

この映画は鑑賞する人のその時の体調や感情、よって感想が特に大きく左右される作品ではなかろうか。

殆ど動作もなくまるでシュールレアリズムの絵画作品を見ているようだった。

人間喜怒哀楽が相まって生きて
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朝が来る(2020年製作の映画)

4.0


今年はコロナの影響もあり海外作品の新作が思うように公開されない中、邦画に優れた作品が多くに目に付いているが、その中でも本作はクオリティの高さは出色の出来栄えである!

さすが河瀬監督と思わず唸ってし
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罪の声(2020年製作の映画)

3.9

原作既読の上鑑賞。

原作は真犯人が本当に解明されたような思いになるリアリティさと当時の時代背景も克明に描写され一気読みした思い出がある。

映画化された本作は大人のある意味安易な事情、都合で犯罪に加
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スパイの妻(2020年製作の映画)

3.8

今まで日本映画であまりお目に掛からない戦争開戦前夜の上流階級を舞台にした反戦映画である。

まるで舞台を見ているような構図と紗がかかった映像の美しさに目を奪われてしまった。

NHKのドラマ制作スタッ
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.8

原作既読の上鑑賞。

やはり題名がいい!
一人の人間の存在価値を際立出せてくれる
題名である。

原作はいわばジヨンの一代記であったが、映画の本作はほぼジヨンの置かれている現在の生活にフォーカスし、身
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望み(2020年製作の映画)

3.6

原作は未読で鑑賞。

題名の望みは家族様々な想い立場の違いで意味合いが作品が進むにつれて大きく違いが剥き出しになり明確になっていくところが本作の最大の見どころだと思う。

ベッドタウンにモデルハウスの
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浅田家!(2020年製作の映画)

3.8

やはり中野監督はいい!

彼なりの死生観をやんわりと優しくスクリーンから示してくれる。

浅田氏ご本人もほんわかした温厚な方で二宮和也は今回上手く踏襲して好演している。目の表現表情が特に良い。

一枚
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.0

本作は草彅剛にとって俳優キャリアハイになるであろう作品であると思える。

あまりにも切なくそして哀しい…
決していい話ではない。

最近LGBTQを題材にした作品は多いが、本作は置かれている人達の過酷
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.2


ノーラン監督がこだわるフィルムでの撮影、劇場での鑑賞が前提という強い意志が存分に堪能出来る素晴らしい仕上がりになっている。

コロナ禍劇場再開後間違いなく映画館で見ることに喜びをダントツに感じられた
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喜劇 愛妻物語(2020年製作の映画)

3.9

水川あさみが凄く良い!
怪演とも言えなくもないくらいに。
少し気が早いかもしれないが、今年の女優賞レースに間違いなく入ってくる気がする

この映画は監督夫婦をモデルとしており自身の自宅で撮影したとのこ
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オフィシャル・シークレット(2018年製作の映画)

3.7

正義感で行動してみたものの…

キイラナイトレイの終始怯えた表情がいい。
強い正義感で告発してみたものの、様々なトラブルに巻き込まれて気持ちが弱り、床に伏せってしまう姿などはリアルさを感じた。
そんな
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