バンバンビガロさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

バンバンビガロ

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M★A★S★H マッシュ(1970年製作の映画)

2.4

正直全然面白くない。時代遅れという言葉はあまり好きではないけれど、その時代の枠組みの中でしか通用しないような映画で、予備知識なしで見るのはきつかった。
反戦映画というよりも反権力映画という感じで、権威
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ランボー(1982年製作の映画)

4.2

ランボーといえば言わずと知れたシルベスター・スタローンによるアクション映画シリーズであるが、その第1作目はアクション映画の枠組みの中でベトナム帰還兵の悲哀を鋭く描く非常に含蓄のある作品である。
ベトナ
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帰郷(1978年製作の映画)

3.5

ベトナムに出兵した海兵隊員の妻とその同級生で下半身麻痺の帰還兵の交流を描くドラマ。
負傷したベトナム帰還兵を描く映画としてはオリバー・ストーンの『7月4日に生まれて』と内容的には近いものを感じるが、こ
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デンジャー・クロース 極限着弾(2019年製作の映画)

3.0

オーストラリア制作のベトナム戦争映画。
アメリカの戦争というイメージの強いベトナム戦争だが、アジアの共産主義化を懸念したいくつかの近隣諸国も軍隊を派遣しており、この映画はそのベトナムに派遣されたオース
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7月4日に生まれて(1989年製作の映画)

3.2

オリバー・ストーン監督によるベトナム戦争映画2作目。
『プラトーン』がベトナム戦争の戦地における現実を描こうとしたものであるのに対して実在の傷痍軍人の自伝をもとにアメリカ国内から見たべトナム戦争のリア
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グリーン・ベレー(1968年製作の映画)

1.5

ジョン・ウェインによるベトナム戦争を肯定するプロパガンダ映画。
戦争映画がプロパガンダの要素を含んでいること自体は普通のことではあるが、この映画はプロパガンダとしてもやや苦しい、自分たちが主張する言説
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足跡はかき消して(2018年製作の映画)

4.0

非常に繊細な作劇で、限られたスコープの中で出来事をリアルに淡々と描いていくタイプの映画である。
住処を追われた父娘の逃避行の中に現在のアメリカという国の姿を感じさせるいくつものディティールが忍ばせてあ
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ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録(1991年製作の映画)

3.7

映画『地獄の黙示録』の撮影の舞台裏を捉えたドキュメンタリー。
ある意味では『地獄の黙示録』以上にコンラッドの『闇の奥』に接近しているような内容で『ハートオブダークネス』というタイトルもうなずける。
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ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.2

「報道の自由」という普遍的で重要なテーマを史実に基づきながらも高度なエンターテイメントに落とし込んでいく手際が非常にうまい。
この映画の肝はメリル・ストリープ演じるキャサリンが一つの重大な”決断”を下
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バーディ(1984年製作の映画)

3.5

ベトナム戦争での体験から精神に異常をきたし精神病院に収監されている青年バーディと彼の親友であり同じく戦争によって負傷した帰還兵アルの友情と青春を描いた映画。
戦争のトラウマを扱う重苦しい作品であるかと
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1969(1988年製作の映画)

2.0

タイトル通り1969年ベトナム戦争下のアメリカの若者を描く青春映画。
舞台はやや保守的な雰囲気の田舎町で、徴兵され戦地へと送られることへの不安を抱えながらも漫然と日々を送る大学生の二人が主人公。最後に
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

2.9

周囲から馬鹿にされている中年男性がひょんなきっかけで異世界へと行きそこでヒーローになるというまあよくあるタイプの映画。そもそも現在主流のゲームの面白さというのもどこか現実とは違う世界を体験したいという>>続きを読む

死神ランボー 皆殺しの戦場(1984年製作の映画)

3.2

ベトナム帰還兵が生活に行き詰まり精神的に追い詰められていくという話で、内容的には『タクシードライバー』と『イレイザーヘッド』を足して2で割ったような感じである。もちろんスコセッシやリンチのような映像セ>>続きを読む

ベトナムから遠く離れて(1967年製作の映画)

3.0

アラン・レネ、ウィリアム・クライン、ヨリス・イヴェンス、アニエス・ヴァルダ、クロード・ルルーシュ、ジャン=リュック・ゴダール、フランス映画界のビックネームが数多くならんだ反戦ドキュメンタリー映画。
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カジュアリティーズ(1989年製作の映画)

3.8

目を覆いたくなるような悲惨な場面の数々、しかもこれが実際に起こった事件をもとにしているというから救いがない。それでもこの映画はただベトナムでの米兵の蛮行を暴き出して見せつけるような胸糞の悪くなるだけの>>続きを読む

地獄の黙示録(1979年製作の映画)

3.0

よくわからない映画である。映像は大変迫力があり破格の力を持った場面構成に感心させられる。純粋に面白いと感じるシーンも多数がある。しかし、最終的にどこに焦点を合わせていいかわからず、全体としてどういう映>>続きを読む

プラトーン(1986年製作の映画)

3.8

1986年公開ということでベトナム戦争を描いた映画としてはやや後発の作品ではあるものの、ベトナム帰還兵であるオリバーストーン監督の手による本作は初めてベトナム戦争を(少なくともある一面において)正面か>>続きを読む

ハーツ・アンド・マインズ/ベトナム戦争の真実(1974年製作の映画)

4.2

原題になっているハーツ・アンド・マインズというフレーズは作品の冒頭にも出てくるジョンソン大統領の演説での「最終的な勝利は、実際に向こうで暮らしているベトナム人の意欲と気質(ハーツ・アンド・マインズ)に>>続きを読む

汚れた血(1986年製作の映画)

3.9

前作『ボーイ・ミーツ・ガール』と比べると話が格段に分かりやすくなっており遥かに完成度の高い映画になっている。話が分かりやすくなったといっても、ストーリーが重要な映画であるということではなく、また、通俗>>続きを読む

ファール・プレイ(1978年製作の映画)

3.3

ヒッチコックの『知りすぎていた男』を下敷きにしたコメディサスペンス。
コメディではあるがパロディではなく、ヒッチコック的な要素はいくつも出てくるがそれを誇張して笑いにしているという感じではなく純粋にオ
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スター!(1968年製作の映画)

2.0

ロバート・ワイズ監督、ジュリー・アンドリュース主演のミュージカル映画ということで『サウンド・オブ・ミュージック』の大ヒットを再現しようという意図は見えるのだが、『ウエストサイド物語』や『サウンド・オブ>>続きを読む

海がきこえる(1993年製作の映画)

3.5

ジブリ作品としては珍しくファンタジー色の全くない作品なのだが、丁寧に描かれた90年代初頭の地方都市の情景が30年もたった今ではなんだがファンタジーのようにも感じられる。
作品の舞台が田舎でも都会でもな
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ボーイ・ミーツ・ガール(1983年製作の映画)

2.5

すごく高いセンスを持った監督だということはよくわかる。モノクロの使い方にしてもただ雰囲気を出すためにモノクロにしてみましたという以上の陰影へのこだわりを感じるし、構図が決まった美しい描写が印象に残る。>>続きを読む

牛泥棒(1943年製作の映画)

3.0

作品自体は短くまとまっているものの枝葉の部分で物語上意味をさなさい描写が結構あるのと捕まった3人の証言がちぐはぐで結局どういう連中だったのか最後までよくわからないなど脚本の出来にはやや問題があるように>>続きを読む

生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.6

黒澤明の『生きる』の英国版リメイク。ストーリーに大きな変更点はないが全体の尺がかなり短くなっており、それに伴いもともとの映画の泥臭くいなたい感じの描写はバッサリ切られていて、ビル・ナイ演じる主人公もど>>続きを読む

どん底(1936年製作の映画)

2.0

『どん底』はゴーリキーの戯曲も好きだし黒澤明の映画版も好きなので、結構思い入れがあり、どうしてもそことの比較になってしまうところは否めないのだが、ジャン・ルノワールの脚色にはあまり納得ができない。
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.5

この映画は同じダーレン・アロノフスキー監督の『レスラー』とほぼ同じような主題を扱った映画、つまり自分の生き方を変えることができない不器用な男性が緩やかな自殺へと向かっていくという話になっていると思う。>>続きを読む

サムシング・ワイルド(1986年製作の映画)

4.0

ロードムービーであり、ラブコメディであり、青春映画でもあり、スリラーでもあるような一風変わった味わいのある映画だが個人的にはかなり好きな部類に入る。
序盤は平凡で冴えない感じの男がすべてがめちゃくちゃ
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テレグラフ・ヒルの家(1951年製作の映画)

3.5

後年は数多くの大作映画を手掛けてハリウッドの巨匠枠に収まったロバート・ワイズだが、実はこのくらいのフィルムノワールの小品で手堅い仕事をするタイプの監督でもあると思う。
主人公は強制収容所で死んだ友人の
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トリとロキタ(2022年製作の映画)

3.5

アフリカからベルギーに逃れてきた難民の姉弟トリとロキタの悲愴な生活を描くドラマ。
劇映画的な演出を極力排除した硬派でドキュメンタリー的なスタイルの映画で、細かい状況の説明などはほとんどなく、カメラもひ
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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.7

最初の罪人を牢屋まで護送する場面からしっかりと設定とアイデアを作ってある感じが出ていて好感が持てる。
この映画のストーリーはある問題Aを解決するためにはBが必要であり、Bを手に入れるためにはCという場
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ピンクの豹(1963年製作の映画)

3.0

王女の持つダイアモンド「ピンクパンサー」を狙う怪盗ファントムことチャールズ・リットン卿と怪盗ファントムを追うクルーゾー警部が繰り広げるドタバタ劇。
結構くだらないというか、取るに足らないようなギャグが
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ヒンデンブルグ(1975年製作の映画)

3.3

ヒンデンブルグ号墜落事故の実話に基づく映画。
当時流行っていたパニック映画の一本でこういう流行りものは一通り手掛けてきているあたりロバート・ワイズはやはりハリウッドのど真ん中にいた監督なのだと実感する
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ルーフトップ(1989年製作の映画)

2.2

劇場公開映画としてはロバート・ワイズ監督の最後の作品となる。
大掴みにいえば『フラッシュダンス』や『トップガン』のようなミュージックビデオ的な感覚のある映画で、当時の流行とユースカルチャーを取り込んで
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オードリー・ローズ(1977年製作の映画)

3.4

映画開始してすぐ、嵐の中運転する車に前方から別の車が道を外れて向かってきてそのまま衝突し横転した車が炎上する。これだけのシーンがすごくよく撮れていて実に見事だと思う。
『エクソシスト』的な少女に悪霊が
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スター・トレック(1979年製作の映画)

3.6

ロバートワイズ監督によるスタートレックシリーズの映画第1作目。
映像面に関しては非常にリッチでよくできた質感で当時の特撮映像としては最高レベルのクオリティだと思う。特に序盤の新エンタープライズ号の全景
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