ゆみモンさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

ゆみモン

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シスター 夏のわかれ道(2021年製作の映画)

3.9

中国社会の一人っ子政策と家父長制の闇を突きつけた作品。

「娘が障害者だから、もう一人の出産を認めてほしい」と政府?に申請する両親。もちろんそれは嘘で、娘に、役人の前で脚が不自由なふりを強要する両親。
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まほろ駅前番外地(2013年製作の映画)

4.0

2011年「まほろ駅前多田便利軒」と2013年「まほろ駅前狂騒曲」の2本の映画の間に位置する、約30分✕12回のテレビドラマ化。

2013年の続編の映画化が決まっていたかのような、伏線らしき小ネタが
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ゴールデンスランバー(2009年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

伊坂幸太郎の原作小説を昔読んで、スリリングで人情味もあって面白かった記憶がある。
映画もなかなか面白かった。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。首相暗殺の濡れ衣をきせ
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ソワレ(2020年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

罪を犯した者と、それを庇う(付き合う)男女の逃亡劇。
似たような設定の作品なら、李相日監督の『悪人』に及ばない。
が、祥太とタカラを演じた二人の熱演には好感が持てた。

しかし、元々、刑を終えたタカラ
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野良猫ロック セックス・ハンター(1970年製作の映画)

2.3

ストーリーはともかく…

完璧なクールビューティの一歩手前の、まだあどけなさの残る梶芽衣子。
松田優作に雰囲気が似ている安岡力也。
5年後の野々村(ドラマ『悪魔のようなあいつ』)にすっかりなっている藤
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告訴せず(1975年製作の映画)

2.8

黒い選挙資金を持ち逃げした小市民の、色と金の逃避行。

昭和の風俗満載で懐かしさもいっぱい。

松本清張ならではのサスペンスで、どんでん返しもあり90分にコンパクトにまとまっているが、安っぽい感じが残
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DISTANCE/ディスタンス(2001年製作の映画)

2.0

ドキュメンタリーみたいだなぁ~と思って観ていたら、ドキュメンタリーの名手と言われる日との撮影だった。

ピカレスク -人間失格-(2002年製作の映画)

2.6

桜桃忌。
『人間失格』『斜陽』『ヴィヨンの妻』…他。
何作目かの太宰治関連の映画。

ストーリーは特に目新しいものはないが(事実に即していれば当然)、映像の雰囲気はいい感じだ。
太宰治役の河村隆一は、
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ぼっちゃん(2012年製作の映画)

2.8

秋葉原無差別殺傷事件の犯人をモチーフに…とあるが、本当に犯人はこの“梶”なような人物だったのだろうか?

そう謳ったほうが話題性はあるだろうが、それが無くても、十分“不可解で理不尽な犯行に及んでしまう
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ろくでなし(1960年製作の映画)

3.2

1960年公開、吉田喜重監督のデビュー作。

同年の、鈴木清順監督『すべてが狂ってる』、大島渚監督『青春残酷物語』と似たような路線だ。
ヌーベルバーグとかいう流行りだったのだろう。

ストーリーは単純
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空気人形(2009年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

私は、あり得ない設定のファンタジーが元々苦手だ。
しかし、是枝裕和監督の著者の中で、主演のペ・ドゥナを絶賛していたので観てみた。

空気人形(ラブドール)が心を持って、動き出すこと自体あり得ない設定な
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ザ・マジックアワー(2008年製作の映画)

4.0

もう何回目になるかわからないが、何度観ても、わかっていても笑ってしまう。

荒唐無稽な設定だが、ちゃんとした大人のコメディ。
『有頂天ホテル』も面白いが、私はこちらの方が好きだ。

佐藤浩市の劇中演技
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怪物(2023年製作の映画)

3.5

是枝裕和監督は、作品によっては“あざとさ”のようなものが感じられることがある。
が、やはり子役の使い方が圧倒的に上手いので、公開されると観てしまう。

この『怪物』は、予告編から想像されるストーリーか
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すべてが狂ってる(1960年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

1960年、鈴木清順監督作品。
同じ年の大島渚監督作品『青春残酷物語』と似たような路線。

タイトル通り『すべてが狂ってる』…結局誰も幸せになっていないのが切ない。

戦後15年。「もはや戦後ではない
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青春残酷物語(1960年製作の映画)

2.8

1960年、大島渚監督28歳の作品。
デジタル修復版というのを観た。60年以上も昔の映画とは思えないほど、画像が綺麗だった。

いつの時代も、青春とは残酷で美しい時代。そして若者は、大人や社会に反抗し
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

2.1

気味悪い、怖い、やめよう…と思いながら、結局最後まで観てしまった。

女王にされたダニーの、ラストの微笑みは何だったのか?

鬼が笑う(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

辛すぎる話。
一馬の人生はいったい何だったのか?

母と妹を守るために父親を殺した一馬。殺人は決して許されないが、一馬がバットを振り下ろさなければ、母が父親に殺されていたかもしれない。
それなのに、刑
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マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

恥ずかしながら、まだまだきちんと理解していないことが多かった。国土を持たないクルド人のこと、難民申請制度の難しさや理不尽さ…。

クルド人の家族とともに、生まれた地を離れ、幼い頃から日本で育った17歳
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鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽(2022年製作の映画)

2.5

没落貴族の姉弟・かず子と直治を演じた俳優が、荷が重過ぎたようで残念。
かず子役の女優さんの着物姿に違和感がある。何故か?と考えてみたが、おそらく肩幅が広く骨格が立派なのだと思った。
直治役の俳優さんは
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宮松と山下(2022年製作の映画)

3.4

静かな、ゆったりとした、やや暗いとも言える映画。
音楽も台詞も少ない。

エキストラ俳優とロープウェイの管理者の兼業で生計を立てている宮松。実は宮松は、12年前から記憶喪失である。
しかし、宮松の前に
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五匹の紳士(1966年製作の映画)

2.8

子役の上原ゆかりの名演技が、最も印象深かった。

恋文(1985年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

昔の恋人が病で余命僅かと知り、自分が側にいて最期を看取ろうとする男。その女性と結婚するために、妻子に別れてくれと言う身勝手さ…。
こういう男に、萩原健一は適役。おそらく実生活でも、ダメでクズでそれでも
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ワンダフルライフ(1999年製作の映画)

2.7

このレビューはネタバレを含みます

亡くなった人が成仏する最期に観たい人生の記憶を映像化する施設職員を描いたお仕事映画。
実際にはあり得ないファンタジックな設定を、ドキュメンタリータッチに仕上げているのは、是枝裕和監督がドキュメンタリー
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幻の光(1995年製作の映画)

2.8

1995年公開、是枝裕和監督の劇場映画デビュー作品。
江角マキコの映画初主演(出演?)作でもある。

家族を扱っているが、その後の是枝監督の作品とはずいぶん違う感じがする。
独特の雰囲気はあるが、登場
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フラガール(2006年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

以前観たことはあるが、レビュー未記入のため再鑑賞。
当時も感動したが、今回も感動した。
そんな簡単に監督や俳優にのせられてやるもんか…お決まりの泣かせパターンだ〰と思っていても、やはり感動して泣いてし
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老人ファーム(2019年製作の映画)

2.8

深刻なテーマを扱った、辛い作品。
申し訳無いが、監督さんも俳優さんたちも知らない方々。
いろいろ映画制作や演技の技術的には、まだまだなのかもしれないが、訴えかけてくるものはあった。
老人ホームの設定で
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108~海馬五郎の復讐と冒険~(2019年製作の映画)

2.4

くだらなくてバカバカしい、シュールなエロティックコメディ?

ストーリー性はあるが、やりたい放題。
それでも、ラストまで引っ張っられたのは、俳優陣の真剣な演技力によるものだろうか?

春に散る(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

沢木耕太郎が好きなので、原作は読んだ。
ボクシングをまったくない知らない私でも感動した。
広岡のボクサー引退後の事業者としての成功に、出来過ぎ感が否めないが…。

映画化の話を聞いた時、広岡=佐藤浩市
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お父さんと伊藤さん(2015年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりの主演の上野樹里。
この前観たのは、『幸福のスイッチ』で頑固親父(沢田研二)に反抗する怜という娘役だった。
あれから約10年。すっかり大人の女性になっていてビックリ。

書店でアルバイトをして
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俺たちに明日はない(1967年製作の映画)

3.1

当然ではあるが、あまりにも突然で容赦ないラストにビックリした。

実話をもとにした映画ということは知らなかった。

殯の森(2007年製作の映画)

2.7

うだしげきと尾野真千子の熱演は認めるが、二人が迷い込んでからのシーンが長過ぎて冗長な感じだった。
映像も美しいが、ストーリー展開に乏しく、何を訴えかけているのか捉えにくい。
私がわからなかっただけかも
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警視庁物語 行方不明(1964年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

警視庁物語シリーズ24本の最終作。
全シリーズを観てはいないが、他の作品同様に、ドキュメントタッチで当時の世相や風景を背景に、リアリティあふれる事件を刑事達が地道に追いかけて行く。

今回は、皮革工場
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警視庁物語 十五才の女(1961年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「警視庁物語」シリーズ第16話。

今回も、約60分というテレビドラマのような尺の中で、無駄なくまとまった良品だ。

ストーリーは切ない。
他殺体で発見された少女は、まだ15歳で生活のために安価で売春
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警視庁物語 顔のない女(1959年製作の映画)

3.0

『警視庁物語』シリーズ全24作の一つ。

事件そのものは特別珍しいものではない。が、無骨な刑事たちが、一つ一つの手掛かりを潰しながら地道な捜査を積み重ねていく姿を丁寧に描いている。

戦後の東京下町の
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センセイの鞄(2003年製作の映画)

2.8

原作小説は、発行当時に読んだので、細かい部分は忘れてしまっているかもしれないが…。

原作のポワーンとやや浮世離れした雰囲気が薄まり、コメディタッチになっている気がした。原作では感じられないいやらしさ
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