Kajiさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

Kaji

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死体が消えた夜(2018年製作の映画)

3.3

前半の筋が一気に変わるラストの流れはグッと来た。

キムサンギョン、刑事役が似合うけど今作は一味違った感じ。
コメディ演技の中にただものじゃ無いキレもの感が無いと、さいごの伏線回収が「そーですか」な感
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チェイス 夜明けまで走れ(2016年製作の映画)

3.2

関節をキメまくり、体幹のブレなさにキャリアを感じるキムスンウが見れます。深夜食堂韓国版のマスターも過去に何かあるとおもっていましたが、インテリヤクザだったんですね。

こういう、銃声が少なく走るアクシ
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ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

「いいに決まってんだろ」という思いで観に行ったら、むちゃくちゃ良かった。ほんとに良かった。

「レオン」型ではあるけど、捻りもあるしキャラクターも立体的で、アクション・武器・ストーリー、撮影、質感どれ
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神と共に 第一章:罪と罰(2018年製作の映画)

3.5

公開期が近かったかな、「どっちか1本は映画館でみたい」と思っていたし、マブリが出てるし、ハジョンウとチュジフン、キムヒャンギという神主演だったから第2章だけ劇場でみていたんだけど、第1章をやっと配信視>>続きを読む

グレムリン(1984年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ちょっと最近、いいパペット映画観てなくてセレクト。小さい時繰り返し観たのに結構忘れてた。
CGや特殊メイクの技術が上がって、スターウォーズのイウォークやギズモみたいな、真の人形の動きをするキーキャラク
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牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

3.7

言語化しづらい映画だけど、長さは苦痛じゃなかった。

台湾の戦後60年代の社会的変化のもと初めての少年犯罪をモチーフに当事者と周辺の営みや変化をじっくりじっくりとなぞっていく。
全カットの構図や色使い
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フランシス・ハ(2012年製作の映画)

3.6

見初めて「あ、当たりだー」って。
誰だって心当たりがあるシーンがいっぱいで、バウムバック監督と共同脚本・主演のグレタガーウィグとの息があっていた。

ダンスカンパニーの実習生フランシスは、お金もなくて
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ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)

3.8

色褪せない映画だわ〜。

うまくいかなさとトキメキが絶妙な配分。
イニシアチブを取り合ったりせず、相手の前でナイスでいようとする二人の尊重し合う感じが素敵だし、女性の方が社会的に成功していると言えど暗
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博士と狂人(2018年製作の映画)

3.6

字幕だとわかりにくかったけど、セリフだけでも、アメリカ、イギリスでもスコットランドとイングランド、そして社会階級でも変わる英語が飛び交っていたのかなと。

最大級かつ引用文を時代ごとに整理して言語の用
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

とっても面白かった、けどモヤモヤが残りました。

モヤモヤが何なのか考えなきゃね。

ネクストタランティーノ、っていうかポンジュノ手法というか、旧来の映画のコードを重ねてジャンルをミックスしていく技は
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浅草キッド(2021年製作の映画)

3.1

テレビの隆盛で明暗別れた演芸をOTT群雄割拠のこの時に映画にしたかったのかなと思った。

明暗の影のところを担った大泉洋が、数々の才能を見出した「笑いの師匠」として(北海道出身ながら)べらんめえ口調で
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豚の王(2011年製作の映画)

3.3

もうヒット作を連発しているヨンサンホ監督のアニメ作品。
「ソウルステーション:パンデミック」でも「フェイク 我は神なり」でも、作画や動きのぎこちなさに気が散るけど、脚本はさすがとしか言いようがない。
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フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ(2015年製作の映画)

2.0

 主婦が書いて世界的にヒットした官能小説の映画化、っていうのも驚き。
そっちのがドラマティックじゃん。
 「100日の郎君様」で引用されてたので観たんだけど、全て設定が都合が良いだけでそこから人間性を
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君が描く光/ケチュンばあちゃん(2016年製作の映画)

3.6

ずっと気になってた作品だったので観れて良かった。

すごく凝ったストーリーで、父親や夫がいない家庭を主体に家族像を描いたところも新しい切り口だと思った。
息子第一の母親像や、父権について熱く問い直す映
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騙し絵の牙(2021年製作の映画)

3.1

吉田大八監督は群像劇がうまい。
すごく整理されていて、種明かしと裏の配線がかちっとはまっていくし淀みなく進む。

「無理だから面白い」ことを選んでいく速水の飄々として策士な面にハマる。松岡茉優がめっち
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ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

3.6

中盤までリスベットとミカエルが直接出会わないので、いつ会うんだろうと思いつつ、富豪一家に起きた36年前の少女失踪事件のミステリー要素が面白かった。

写真の端っことか、色々ヒントを見つけては確かめてい
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ダ・ヴィンチは誰に微笑む(2021年製作の映画)

3.3

美術品最高額をレコードしたレオナルド・ダ・ヴィンチ「サルバドール・ムンディ」をめぐるアートビジネスの悲喜交交。

 この美術品の美的なあれこれよりもいかにして美術の「値段」(価値ではなく)がこのように
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ハンニバル(2001年製作の映画)

3.9

羊たちの沈黙を換骨奪胎してリドリースコットが作った「薄い本」的二次創作じゃないか。。。
贅沢だし、レクター博士って人の愛をこんなに丁寧に言い換え、そして、
グレングールドオマージュ、キリスト、最後の晩
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

3.5

WOWOWで。

めっちゃ笑った。
すごく健康的で、実在論になっていくストーリー。
マーヴェル主演しかもヒットを出したとなると、レイノルズやりたい放題。ディズニー傘下のネタがバンバン使えるんだなって。
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茲山魚譜 チャサンオボ(2019年製作の映画)

3.9

「歴史の日陰」にいつも目を向けているイジュニク監督が得意な歴史劇で現代につながるテーマを描いた。
分岐点や分断で描かずに、イデオロギーや封建社会の加虐性をある人物の生涯を通して、清濁合わせ持ちながら滲
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荊棘の秘密(2016年製作の映画)

3.7

いやあ、パクチャヌクって人はほんと、予想を裏切る脚本を作るなぁ。

「韓国映画のサスペンス」って言えるような何本か観てると慣らされてくる映画の趣きにどっっっっっっっっしりと混ぜ込まれるパクチャヌクの出
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太陽を撃て(2015年製作の映画)

1.0

私はこういう映画を「絵はがき映画」と呼んでいます。

かっこよくしようとしてスベっていて、クッソダサい映画でした。
とんでもなく酷かった「リアル」を超えるストレス性の耳鳴りがします。。
パクジョンミン
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無垢なる証人(2019年製作の映画)

3.1

平凡といえば平凡な起伏のすくない映画だけど、時には悪人や偽証している依頼人の弁護をする弁護士を悩める善い人として描いてあり、優しい映画だった。

窓の外を怖がっていたのに、最後には自分で開けて雪を見る
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.6

シニカルでちょっと下ネタな笑いが織り込まれてるけど、凝った話で面白かった。

ソウルレスな死体のメニーと、無人島で首を吊ろうとしてたハートレスなハンクが出会うことで始まるサバイバル。

イマジナリーな
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エターナルズ(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

シャンチーで割とイライラしてたんだけど、この作品には大満足。

お仕事(戦闘)では完全なチームワークをするのに、チーム内での恋愛へはサラッとして過干渉にならない関係性も好きだった。単純な悪対善ではなく
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義兄弟 SECRET REUNION(2010年製作の映画)

3.4

南北共闘ストーリーの王道、「ブロマンス」流行より前、男の友情の系譜だった。
北朝鮮スパイをグッドルッキングガイが演じる流れは、南北融和へ傾く韓国の北朝鮮へのファンタジーと分析する人もいる。シュリからは
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キムチを売る女(2005年製作の映画)

3.7

ルイジ・ギッリという写真家をご存知だろうか。

イタリアの写真家の作品を想起する絵作り。
動かず、切り取り、繋いで行く中に救いがない物語が封入されている。

悲壮感のなさが、彼女のすり減って空虚になっ
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百年恋歌(2005年製作の映画)

3.6

ひっさびさに観た。10年以上ぶり。
配給プレノンアッシュというだけで込み上げるものがある。ウォンカーウァイが盛り上がってて、世代直撃の映画。
懐かしさもあるけど、もはや映像の詩情は語るに余る。

三つ
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ビリオネア・ボーイズ・クラブ(2018年製作の映画)

3.0

グレーゾーンと思ってたら真っ黒になる話。

絶好調の時のチャラさと、まずい事に発展するコントラストが山場。
ケヴィン・スペイシーが出てくるとこから、ちょっとずつ「あかん方」の空気がムンムンしてくるから
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ビースト(2018年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

じっとりしたタッチで迫ってくる作品でした。

マイナススパイラルに入ってゆくイソンミンも、曖昧な中間管理職的人物を造形したユジェミョンもほんとうまかった。

 サイコパスが出てくるノワールで犯人像の方
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ディパーテッド(2006年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

二重アンダーカバーもの
マフィア→警察潜入マット
警察→マフィア潜入ディカプ
二人の「ねづみ」は双方の組織から探され、気が気じゃない攻防戦がつづく

マットの器用さが鼻につき、ディカプの真面目さがかっ
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The Soul: 繋がれる魂(2021年製作の映画)

3.7

めちゃ盛り込んであった。

あらすじを書いたら長くなりそうなので割愛。
最初はオカルトホラー、徐々に富豪の家庭内不和サスペンス、そして遺伝子科学の生命倫理、セクシュアリティと愛、エゴの話になり、「愛は
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.1

とりあえず尿道カテーテルを装着してご覧になることをお勧めする。

ってのは冗談で。

長い。というのも、「もうわかったから!」って繰り返されるポールの予知夢。冗長でオチが見える展開が続くので長く感じた
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

いや凄すぎでしょ。
リドリースコットは、作品の品格のみならず闘争と人間性を描く熱量が全く老けない。洞察力がガンギマリした大作でした。

14世紀フランス、イングランドとの勢力争いで戦争状態の中世が舞台
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