これは最高でした。
ありそうな光景であってやはり異国の風景であるフランスの夏物語を7月に見ることができたおかげで小旅行した気分になれた。最後は現実に引き戻されますが。
1部と2部の対比、希望と絶望、こ>>続きを読む
冒頭の脈略のないイマージュの連鎖と、ヴィブラフォンの音色から、60年代とは思えないスタイリッシュさで一気に引き込まれた。
仮面つまり顔のクローズアップを軸に、人格というものを哲学的に掘り下げていく本>>続きを読む
戦争の狂気や異常さを、逆説的にここまで面白可笑しく描き、伝えることが出来るのかと感動した。
ドタバタ喜劇としても最初から最後まで楽しい。見れて本当によかったと思える映画。
デヴィッド・リンチの脳内世界を3時間に渡り堪能できる贅沢。最早アトラクションと言ってもいい。
謎解きする気にもならない多重構造も、リンチの意味不明なイメージの大集合大サーカスという感じで、終わる頃に>>続きを読む
重い。ただひたすらに重い。
殺人とそれに対する死刑に関して、ここまで生々しく映された作品は稀有。グロテスクさを売りにした数多の作品を瞬殺できるグロテスクさがある意味ではあると思う。
今までのズラウスキーの作品は難解でありながらも何となくその筋は追えてたが、これは流石に意味が不明でした。
『悪魔』であまりにも早く確立してしまったFPS視点も、本作では流石に激しすぎて酔いそうに。>>続きを読む
この時代に見れば紋切り型なSFでも、これが70年代に作られたものと考えるとやっぱり凄い。
自分もこの世界も全てが虚構で、外部に上層部という真実の世界が存在するって恐ろしい考えであると同時に、現実逃避>>続きを読む
死の世界へ近づいていく感覚。ハネケ的な展開を思わせながらも、こちらの方は叙情的。ゆえに重い。
悪魔とはなんなのか。小さいおじさんが悪魔として登場し動き回っているが、神出鬼没。情緒不安定。これは自分自身が作り出したものなのか。
元の場所に戻ろうとする自分と、悪魔の囁きにより殺人を繰り返す自分。>>続きを読む
静かに核心へ迫る悲しきサスペンス。
初めて見たペッツォルトの作品。苦しすぎる駆け引きに胃が痛くなるけど、ラストシーンは美しい。
失語症で数学者の男と、過去も未来も透視できる超能力者の女が出会い一つになり、過去や社会のしがらみから解き放たれていく。
この広大な海で迎えるラストは、希望に満ち溢れたものなのだろうか。
ズラウスキー>>続きを読む
自殺志願者が女に一目惚れしてから一転、生きるために奔走する喜劇に変わるのは面白い。でもいまいちカウリスマキのセンスには嵌りきれなかった。もうちょっと他の作品も観てみよう。
ジャン=ピエール・レオーはい>>続きを読む
ヒトデにここまで不気味さを感じたのは初めてかもしれない。色々と恐ろしすぎる映画だ。
美しすぎる海と殺風景な島の景観は幻想的に映るけど、ここに蔓延する得体の知れない恐怖には何となく身に覚えがあるというか>>続きを読む
自分にとっては完璧な映画。
メビウスの輪のような悪夢を感じさせる演出は、黙示録のラッパ吹きの引用で始まりと終わりを告げる。コジンスキーのサイケジャズな音楽と共に過ぎるあっという間の107分。
スタイ>>続きを読む
ずっと観ていたいと思えた。
ゴダールの素晴らしい作品の数々でも、こう思える作品はあまりなかったかもしれない。
あらゆる映画のサンプリングと再構築による映像はブレイクビーツの如く歪で美しく、過剰なエフェ>>続きを読む
不安と恐怖、という意味ではこちらの方が不思議の国のアリス症候群に近い世界線なのではないか、と思った。
ゴダールの映画製作に対する苦悩が色々な形で映し出されているような気がした。
理想と現実の乖離に進まない映画撮影、物語の存在と不在、吃るイザベル・ユペール。
醜い現実ありきで映し出される美しいショットの>>続きを読む
とんでもないものを観た。
家に帰ってくるたび狂っていく妻イザベル・アジャーニは、映画的な視点を持ってしても信じられないような狂い様を見せてきて良い意味でドン引いてしまう。
ロッキングチェアや螺旋階段の>>続きを読む
映像の質感があまり好きになれず。
それでも幻滅の森のヴィアゼムスキーには見入ってしまう。
それは流石に気付かれるんじゃないか、というくらい大胆かつテクニカルなスリの映像集は段々と癖になってきてなんか面白かったです。
いとも簡単に理性が崩壊してしまう男と、断ち切れぬ愛に葛藤する女の、破滅へ向かう物語。
電話の演出やヨットを動かす仕事などドワネルシリーズを感じる小ネタもありながら、脚が見えるトリュフォー作品としてはと>>続きを読む
トリュフォー自身も経験したナチス占領下の40年代フランスを劇場の視点から描く。
言葉にしなくても分かってしまう心情の変化には映画的な美しさを感じるが、理解するのはやはり難しい。
「オープニング・ナイト>>続きを読む
鬱モードのアンナ・カリーナが反映された演技は、観ていてしんどくなる場面もある。
でもこれは全編通してゴダールのアンナ・カリーナに対する遠回しなメッセージなのでは、と考えると途端にピュアな物語に見えてく>>続きを読む
カトリーヌ・ドヌーヴの表情を追っていけば全てが分かるような、ここまで物語性の宿る演技を堪能出来る作品はそうそうない。
まあルイス・ブニュエルなので、結局最後の演出で意味不明になるのですが。今回はシュー>>続きを読む
同性愛と異性愛が隣り合わせに進む。セクシュアリティとジェンダーの問題を映すゴダールの会話劇でも、今回はかなり客観的にそれらを映し出してる印象を受ける。
急にインタビュー形式になる場面なんかは、もはや質>>続きを読む
この頃のゴダールはアンナ・カリーナのために映画を撮っていた、というのが本当によくわかる。
ゴダール的な刺激にはまだ欠ける。
ワンフレーズであそこまで作品の世界観を体現出来るライ・クーダのギターに脱帽。
ヴィム・ヴェンダースの映画愛溢れるショットの連続、特にトラヴィスとハンターが初めて一緒に学校から帰るシーンは微笑ましくて好>>続きを読む
日常に潜む得体の知れない恐怖という点でその描写は中々良かったけど、個人的には犯人のヴィジュアルそのものにまずサイコパスを感じてしまったのでなんか中途半端な怖さで終わってしまった。
自分もアントワーヌ・ドワネル・クラブの一員だ。
5作も続いたドワネルシリーズの完結編として、あのラストシーンはずるい。変わらないからこそ良い。
サビーヌ役のドロテもとてつもなくかわいくずるい。映画出演>>続きを読む