リリーさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

リリー

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ストックホルム・ペンシルベニア(2015年製作の映画)

3.5

子供を持つ身としてはこれはホラー映画でした。中盤までは、娘を誘拐された母親の苦悩に寄り添った内容に思えたのですが、途中から雲行きがガラッと変わって、予測しなかった展開になっていきました。その複雑さがこ>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.5

幼い時からヤングケアラーだった娘が、家族からの重圧から解き放たれて自身の夢を実現しようと旅立つストーリーなので、さわやかなエンディングですね。セリフは下ネタ満載なのだけど、それが必要不可欠だったことが>>続きを読む

東海道四谷怪談(1959年製作の映画)

4.0

素晴らしい、日本が世界に誇れる怪談映画です。歌舞伎が元だそうなので、舞台を観ているようで様々な仕掛けが面白いです。CGがない時代にもかかわらず、お岩さんの怨念の映像化が不自然ではなく、唐突に驚かせる切>>続きを読む

ディープエンド・オブ・オーシャン(1999年製作の映画)

3.9

深く心に刺さるストーリーで、私にとっては忘れられない映画になりました。子供が行方不明になり半狂乱になる母親の苦しみが話の中心かと思いきや、もう1人の家族がより重要な役割を担うことが後半の後半にわかって>>続きを読む

グリーンランドー地球最後の2日間ー(2020年製作の映画)

3.4

歴史に残るパニック映画の大作ではないかもしれませんが、ストーリーがあまり深くはなくて単純なことと、地獄絵図をずっと見ているような緊張状態が続くので、エンタメとしてそれなりの満足感はありました。空から何>>続きを読む

オープンハウスへようこそ(2018年製作の映画)

2.8

エンディング10分前くらいまでは面白くてゾクゾクしながら観ていましたが、最後の最後で消化不良に終わりました。最後に観客があっけにとられることを期待してこのような結末にしたのか、ガッカリさせるためにあえ>>続きを読む

ヴィジット(2015年製作の映画)

3.3

怖いホラーですが、姉と弟のコミカルな行動と明るさと、祖母の奇妙奇天烈で笑える行動によって、怖さは軽減されます。しかし最後のどんでん返しは予測不可能でした。
ツッコミどころの一番は、なぜ2人の母は、若い
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ケース39(2009年製作の映画)

3.7

怖いです。「エスター」と比較されますが、この作品では「エスター」より早い段階で真実が明らかにされるので、その後のジリジリと締めつけられるような恐怖と焦燥感を最後まで感じられます。何をしても八方塞がりで>>続きを読む

死霊館(2013年製作の映画)

3.5

実話に基づいている、とはなかなか信じ難いですが、単に育児ノイローゼになった子だくさんの親の話とも簡単に片付けられない気もします。
大好きな死霊館シリーズの第一作をまだレビューしていなかったので再鑑賞し
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草原の実験(2014年製作の映画)

3.7

台詞が不要である映画もあることに初めて気付きました。映像だけなのに全く退屈することがないのは、少女と少年の恋愛物語が中心のテーマかと思いきや、みるみるとミステリーに変化していくからでしょう。
私はタイ
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死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

3.5

死霊館シリーズとウォーレン夫妻の大ファンなのて、配信を待ちわびていました。しかし、猟奇的な殺人を、悪魔が憑依したからだと法廷で立証しようとするところは現実的とは思えないため、これまでの死霊館シリーズよ>>続きを読む

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

3.6

異食症という病を始めて知りました。自傷行為に見えて痛々しく、飲み込むシーンとトイレで出すシーンは直視するのが難しかったです。その行動でしか自分の苦しみを表現するしかないハンターの孤独が深くて気の毒でし>>続きを読む

星の子(2020年製作の映画)

3.5

心の救いを求めて宗教にのめり込んでいるが愛情溢れる両親のもとで育ち、思春期になって宗教に対する心の迷いと両親への信頼の狭間で悩む中学生の姿にはとても複雑な気持ちが残りました。主人公の両親が団体が売る水>>続きを読む

希望の灯り(2018年製作の映画)

3.7

前半はスーパーマーケットで淡々と真面目に働く人々の日常を描いているので、エンディング近くになるまでこの映画のメッセージらしきものに気づきませんでした。クリスティアンにはある過去があること、マリオンに心>>続きを読む

すべてが変わった日(2020年製作の映画)

4.0

ケビン•コスナーとダイアン•レインという名優が主演なので期待感いっぱいでしたが期待して正解でした。年を重ねた2人の重厚で哀愁をたたえた演技によって、深く心に染みる余韻がいつまでも残りそうです。ケビン•>>続きを読む

オールド(2021年製作の映画)

3.7

怖い!奇想天外なホラーです。日常でも毎日自分が老いていくことが恐ろしいのに、それが加速されるなんて地獄以外の何物でもありません。持病を抱えた若く美しい女性の変貌ぶりは忘れられません。しかもその理由に驚>>続きを読む

整形水(2020年製作の映画)

3.5

グロいホラーでしたが、衝撃的なストーリーは楽しめました。
女性が容姿至上主義の環境で生きるのは辛いですが、主人公イェジは相当に心がひねくれてしまっています。イェジの両親へのわがままな態度にはムカつきま
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ホテルローヤル(2020年製作の映画)

2.5

原作も読んでいるし、桜木紫乃さんの作品のファンでもあるので、映画は観るべきではなかったと思いました。小説とその映画化されたものは全く別物と考えなくてはいけないのですね。原作が厳粛なイメージがある一方、>>続きを読む

アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち(2014年製作の映画)

3.5

狂気と正気の差は紙一重だと感じました。思い出したくないような経験が一つはある人もいると思うので、それが強烈だと狂気への一線を超えてしまうことがわかります。
精神病院が舞台と言うと、「シャッターアイラン
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.4

スケートボード文化に染まりながら少年が成長する過程を見ることができましたが、スケボーよりも仲間との人間関係に焦点が当たっているように思えました。主人公が、ドラッグも酒も日常的に身近にある若者たちの仲間>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.5

ずーっと観たかったのでアマプラに感謝です。え!?これが、可愛らしい役柄をよく演じるあのキャリー•マリガン?と目を疑いました。厚化粧で常に気だるそうでわざと老けたような印象を与える、友人の復習に燃えてい>>続きを読む

フェアウェル(2019年製作の映画)

3.6

とても一つ一つのシーンが丁寧に作られていて、まるで絵本のページをめくっているように思えました。癌を患う祖母に告知するか否かがテーマにも関わらず、全体的にとてもコミカルな明るい演出なのでとても楽しめまし>>続きを読む

ラ・ヨローナ ~彷徨う女~(2018年製作の映画)

3.8

このような社会派映画は大好きなので、実に面白かったです。グアテマラの暗黒の歴史について無知だったので勉強になりました。ロシアが大量虐殺を行なっている今観ると感慨深いです。似たタイトルの別の映画とは無関>>続きを読む

ハングリー・ハーツ(2014年製作の映画)

3.9

出産も子育ても命懸けの仕事です。夫や親族がそばにいても、時に孤軍奮闘している気になります。ミナは「狂っている」ように見えるかもしれませんが、彼女の行動は子供を守りたい気持ちと愛情が土台になっていること>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

3.8

良い映画ですね。138分の長さにも関わらず、一瞬も見逃せないシーンばかりでした。物語は淡々と進行し、主人公のウニも淡々と日々を過ごしているように見えて、実はウニは波乱と激動を体験していることがわかりま>>続きを読む

ドント・ブリーズ2(2021年製作の映画)

3.5

私は前作はあまり記憶に残らなかったので、この続編の方が楽しめました。ほとんど全編が戦いのシーンで構成されているので集中力を欠かす余裕がない分、良い意味での疲労感が残りました。
前作では老人の超人的な聴
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第三夫人と髪飾り(2018年製作の映画)

4.0

ベトナム映画のすばらしさを知りました。ベトナムの田園風景などの圧倒的な映像美だけでなく、川のせせらぎ、鳥の鳴き声、風、などの心安らぐ音が、セリフの少ないこの映画をさらに芸術作品らしくしています。官能的>>続きを読む

未成年(2018年製作の映画)

3.7

さすが、韓国映画です。登場人物の心情を描くのが上手いです。冷静で分別ある高校生と、だらしなく無責任な大人の対比の描写が素晴らしいです。最後のシーンが特に印象的で、2人の高校生の、親を優に超越する精神年>>続きを読む

ハーモニー 心をつなぐ歌(2010年製作の映画)

3.7

女性刑務所が舞台になっているからか、あえて明るくコミカルな演出になっていました。刑務所の中では毎日楽しく賑やかな女子会が繰り広げられているようで、こんなに人間関係が良いはずがないのでは?と突っ込みたく>>続きを読む

ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

3.6

公開から36年も経っているのに、古臭さはないですね。携帯電話がないのが一番の違いですが、あったらこのような惨劇は描けなかったでしょう。
「激突」と「ヒッチャー」は比較されますが、前者は追手の顔が最後ま
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無垢なる証人(2019年製作の映画)

4.0

登場人物の心理描写が鮮明にに描かれている素晴らしい映画です。主人公の弁護士の心の葛藤と自閉症のジウの真っ直ぐな気持ちとが、どちらも愛おしくて切なくこちらの心に迫ってきます。韓国映画の優れた特徴をまた堪>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

4.0

韓国は良い映画を作りますね。押し付けがましくないのに心にじんわりと沁みます。
昨日の日経新聞の記事で、韓国の出生率がOECD加盟国の下位に位置し、1.0人を下回るとありました。その理由は主に、性別役割
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.4

原作を読んでから観たので、映画は別の作品のように思えました。短編集の他の物語の中のエピソードを引用しているため、原作の短編を3時間に仕上げている仕組みがなるほどとわかりました。
西島さんは相変わらずか
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扉をたたく人(2007年製作の映画)

3.7

盛り上がりもなく静かな映画ですが、メッセージ性は強かったです。アメリカ同時多発テロ後のイスラム系の人への偏見により、テロリストではない善良な人が犯罪者扱いされるという内容です。決してハッピーエンドでは>>続きを読む

オクジャ okja(2017年製作の映画)

3.4

ミランド社の利益優先主義も軽蔑に値するけれど、動物愛護団体の行動も過激だと思います。反捕鯨団体のグリーンピースを思い出してしまいました。それぞれの正義はあるのでしょうが、互いに永遠に和解することはない>>続きを読む

私の少女(2014年製作の映画)

3.8

韓国の社会(だけでなく世界各国)の暗部を描いていてやりきれない思いです。同性愛者への偏見、女性蔑視、児童虐待、不法滞在労働者の搾取、など様々な要素が入り混じっていて見応えがありました。え⁈所長はそのこ>>続きを読む