詩情豊かに描かれる絶望。
こんな暮らしが、もしかしたら自分の周り半径1km以内に存在しているかもしれないという現実に震えてる。
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赤いワンピースの朔子が河原に足を踏み入れる。瞬間、彼女の足を中心に水面に波紋が広がる。
このカットだけで、すっかりこの映画の虜に。
主役二人の瑞々しい演技がとにかく自然体で素晴らしいです。
全編にわた>>続きを読む
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歌舞伎町にあるラブホを舞台とした24時間の物語に様々なドラマが凝縮されていて、その世界観に没頭する事ができ、私は全然長いとは思いませんでした。
どの人物も訳あり、結構ハードな境遇の人も多くて暗くなり>>続きを読む
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ベタで何が悪い。教科書的で何が悪い。
世の中に腐るほどある「ベタ」にも「教科書」の水準にも達していない映画なんかより一億倍良いですよ。
ひとつひとつの要素がとても丁寧に作り込まれた、純粋に「いい映画>>続きを読む
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面白い「会話の映画」。
とにかく噛み合ってるようで噛み合わない感じとか、リアクションとツッコミの加減とか、間とか、いちいち美味。
次にどんな言葉が来て、どんな言葉が返って来るのか。とにかく楽しみでし>>続きを読む
ももクロ以外の部員がエキストラ並み。
吉岡里帆さんも伊藤沙莉さんも芳根京子さんも本当に居るだけ。まともな台詞すらろくにないのはちょっと酷過ぎる。
みんなでひとつの事を目指す物語なのだから、メンバー以外>>続きを読む
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安定安心(?)の福田雄一作品を存分に楽しめました。
この軽薄すぎる笑いとクドいギャグはもはや名人芸の域。このくだらな過ぎるユルさが良いんですよ。
ほとんどワンシチュエーションで繰り広げられる12時間の>>続きを読む
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フランスの高校を舞台に展開される失踪ミステリーは例えるなら「桐島」+「エレファント」。
視点の違いによって、登場人物の印象や台詞の意味変わってきたり、謎が少しずつ明らかになってゆくのがベタながらスリリ>>続きを読む
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ストーリーらしいストーリーはないんだけど、何だか味わい深い作品。
映像と音楽、そして主人公のおっさんの人間味に惹かれて、とても心地よい時間を過ごせました。
短い人生。ひとつひとつの出会いや対話を大事に>>続きを読む
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後から考えると序盤から割と伏線やヒントが散りばめられていたにもかかわらず、私は最後まで気付きませんでした。
これ実話なんですか。
中二病とネットの親和性、思春期特有の揺れ動く自我とその行き場としてのネ>>続きを読む
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DVDのジャケの印象で地球滅亡サバイバル的な映画なのかなと思って観たらビックリ。
これはちょっと斬新です。こんな映画は観たことがない。
どういうジャンルの映画なのもよくわかりません。
あえてジャンル分>>続きを読む
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前半30分は何も起きません。しかしこの30分こそ重要な前フリ。
この一見退屈に思える前半での主人公グループの行動や言動が、地震が起きパニックと化した後半に「自業自得」「因果応報」といった様々な形で生き>>続きを読む
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なんとも奇妙な映画です。
まず主人公たちのキャラや設定が独特で興味をそそられます。
手持ちカメラやジャンプカットなど、ラース・フォン・トリアーを思わせる演出と、時折現れる強烈なバイオレンス描写に加え、>>続きを読む
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最初のうちは手話で交わされる会話の内容が気になったりもしましたが、
ワンシーンワンカットでじっくりと捉えられた映像、演者のアクションや手話の強弱、そして生々しい音が言葉以上に饒舌で、
違和感なく作品に>>続きを読む
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朝鮮戦争によって家族を引き裂かれた傷を背負いながら、とにかく家族のために生き抜いた主人公の姿に思わず胸が震えました。
時にはシリアスに、時にはユーモラスに描かれる激動の人生はまさにジェットコースターの>>続きを読む
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固唾を飲んで見守る134分。
目を見張るフィリップス船長の有能さ。危険地帯を通ると知るや、セキュリティの強化や演習に念をいれ、いざ緊急事態が起こっても的確な判断で回避しようとする冷静さ。
無線を傍受さ>>続きを読む
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かなり前に「アンビリバボー」か何かでベサニー・ハミルトンのことが紹介されていて、片腕を失いながらも病室では笑顔で振る舞い、事故からわずか一か月弱で海に戻り、元気に波に乗る彼女の姿が印象に残っていました>>続きを読む
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実験的な作品ですが、無駄をそぎ落とし練られた脚本とトム・ハーディの好演で最後まで退屈することがありませんでした。
カーライトや夜景、信号の反射光がフロントガラスに滲む映像の美しさ。そこに絡むムーディな>>続きを読む
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故人の秘密や嘘をテーマとした、ヒューマンドラマを予想していたけど、良い意味で裏切られました。
れっきとした田舎ホラーだった。
カメラワークや構図、色調や音楽の使い方、サスペンスフルなシーンは画面サイズ>>続きを読む
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つかみどころの無い映画ですが、かなり異質なものがありました。
主人公の豆腐並みのメンタルとか、異国での疎外感とか、登場人物の人間性とか様々なシチュエーションと要因が重なり、
どんどん悪い方へ悪い方へと>>続きを読む
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環境テロという自分がまったく知らない分野が題材でしたが、その世界に巻き込まれる主人公と半ば同化しながら、作品にのめり込むことができました。
もちろんテロ行為は容認されるものではありません。
しかしそれ>>続きを読む
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ブランドの広告写真の様なキレッキレの画と説得力のある力強いアップの切り返しを絶妙に使い分けてみせる恐るべき卓越した演出。
若さゆえの勢いだけではない、確かな才気が感じられます。
10年に及ぶ、苦しくて>>続きを読む
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グザヴィエ・ドランの一連の作品に重要なモチーフとして登場するのが”母と子”。
その原点が垣間見える初監督作品。
おそらく実体験を基にしていると思われるリアリティ溢れる母子のドラマは時にエキセントリック>>続きを読む
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ワンカットで見せる試合のシーンが凄かった。
化学療法により変わり果てたロッキーの姿はショッキングでしたが、クリードの成長を見守りつつ”癌”という最強の対戦相手に挑む姿には感動。
「クラウド」の意味がわ>>続きを読む
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相変わらずボコボコにされ、車に撥ねられる(良い意味で)隙のある殺し屋ジョン・ウィックや、ハンパないディテールの作り込みに心くすぐられっぱなしでした。
殺し屋御用達のコンチネンタルホテルや謎の通貨などに>>続きを読む
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無駄を削ぎ落とした一級のガンアクションでした。どことなくニコラス・ウィンディング・レフンの影響が感じられます。
「俺の車と犬をよくもー!」といって仇を討つだけの単純明快なストーリーなんだけど、キアヌ演>>続きを読む
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主軸となる兄弟とその父親のみならず、周囲の人々にまで視線を配り、丁寧に描いているので彼らの視線がひとつに注がれるクライマックスの盛り上がりがとにかく半端ない。
絶対に負けることのできない熱き魂のぶつか>>続きを読む
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痛烈な社会批判を展開するブラックコメディの体裁を取りつつ、「家族とは何か」という普遍的なテーマに着地させた逸品。
スパイとして潜入した偽家族が本当に切ない。
言い争いが絶えない傍迷惑な敵国の隣家族に逆>>続きを読む
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開始5分で「あ、この映画好き」って確信できました。
主人公二人の佇まいやウィットに富んだ会話と音楽がとにかく秀逸。
ルックとしては凄くお洒落なんだけど、描かれているのはちょっとほろ苦い青春の終わり。>>続きを読む
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これまでどんなことにも動じなかった、あの丑嶋社長の心が揺れる瞬間が衝撃的だった。
だからといって情には流されず、あくまで己の信念を貫き通す姿がかっこいい。
みんなそれぞれの想いがあり、それをずっと引>>続きを読む
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ネットワークビジネスのからくりやそれに嵌まってしまう人間の心理や行動がとても解りやすく描かれていて、それがとても興味深かった。
今回は本業俳優じゃない、アイドルやタレントの起用が目立ったのがちょっと>>続きを読む
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欲望や虚栄が剥き出しになった人間の滑稽さと悲哀を感じました。
清く正しく平穏に生きている私には、到底うかがい知れない世界なので
その人間模様をとても興味深く堪能できました。
ああやって人は堕ちてゆくん>>続きを読む
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過去の自分との付き合い方。
なんだか自分と重ね合わさるようなところが多くてカナミに感情移入しまくりでした。
過去は過去。決して消えることはない。
だから過去と向き合うことも大切だけど、前を向いていま>>続きを読む